みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

読者のみなさまは、どの USB-C 充電器をお使いでしょうか。Anker や Belkin といった海外メーカーから、エレコムなどの国内ブランドなど、メーカーは非常に多く存在します。日本で流通する製品の多くは、中国、アメリカ、そして日本。といったものが多く、それ以外の国のブランドはあまり見かける機会がありません。

しかし、今回レビューする USB-C 充電器は、韓国の Spigen 製の USB-C 充電器です。Spigen といえば、スマートフォンケースやフィルムのイメージが強いメーカーですが、2022年7月に USB-C 充電器を一斉リリースしていました。

今回はその中より、45W 出力が可能な Spigen GaN 452 2ポート 45W USB-C 充電器を選び、レビューします。

・開封

パッケージ

内容物は、本体、取扱説明書、宣伝

本体

USB-C ポート

プラグは折り畳めない

・類似製品と比較すると

本製品を先日レビューした、Belkin、BoostCharge PRO Dual USB-C GaN Wall Charger with PPS 45W と比較してみます。

一見すると同じように見えるが…

プラグ形状の違いがここまで響く

Belkin 製はプラグが折り畳めるのに対し、本製品は折り畳み式プラグを採用していません。

そのため、筐体自体は Belkin よりも小さいものの、プラグを含めると本製品の方が大きくなります。持ち運ぶ場合、折り畳めないプラグはカバンの中の他のものを傷つけたり、プラグが折れたり、曲がったりする原因となるため、あまり好ましいものではありません。

・本体の仕様をチェック

ここでは、充電器の仕様がどのようになっているかを確認します。

Power Data Object(PDO)、USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、過電流に対する保護機能の3点を確認し、安全上の問題がないか、景品表示法上の問題がないかを確認します。

PDO および 対応する急速充電規格を確認したところ、PDO は製品の表記などと一致しており、対応する急速充電規格にも大きな問題は見られませんでした。また、PPS の実装方法にも問題はありませんでした。

次に過電流の保護機能が正常に動作するかを確認しました。

過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として充電器には必要不可欠なものです。

確認の結果、保護機能が動作するタイミングは公称値+0.3A程度であり、この程度であればしきい値として妥当なものであることから、保護機能は正常に動作するといえる状態にあります。

最後に、MacBook Air M2、iPad 9、iPhone 14 Pro での充電状況を確認します。

確認の結果、全てのデバイスでそれぞれの高速充電が作動していることを確認できました。

また、iPad と iPhone の同時高速充電も可能であることも確認できています。

※ ここでいう MacBook Air M2 の高速充電は、30W以上を指しており、30分で50%以上の高速充電ではない。充電には MagSafe 3 を使用。

・使用感

本製品は、1ポート使用時45W、2ポート同時使用時は25W/20Wに分配されるようになっています。

これは、スマートフォンやタブレットの同時充電に最適化されており、非常に使い勝手が良いものだと思います。また、初期のマルチポート USB-C 充電器にあった出力分配時の瞬電が本製品にはなく、デバイスを追加しても都度、充電開始音が連呼するということもありません。*1

*1 瞬電回避の仕組み上、デバイスによっては充電音がなる場合もあります。

シンプルでデザインも悪くない

しかし、プラグが折り畳めないという点については最大の欠点といえ、筆者がプラグが折り畳めない製品を極度に嫌っていることも影響していますが、持ち運びには不便な上、見た目も不恰好で使い勝手としてはイマイチな印象です。

・総評

悪くはないけど、良くもない。

本製品の完成度はこれくらいかと思います。基本的な性能や安全性に問題はありませんでしたし、過電流保護機能も他社が+0.5A程度で作動するのに対し、本製品は+0.3A程度で作動するなど、より高い安全機能が実装されているといえます。

しかしながら、プラグが折り畳めないという点は、個人的には使い勝手が悪く、製品評価を大幅に押し下げる要因になっています。販売価格についても Belkin 製と比較して高価であるにも関わらず、機能性で劣るというのは、リリース時期に約半年の差があるとはいえ、オススメしにくい原因となっています。

本製品がどうしても欲しいという方を止める理由はありませんが、同等製品をお探しの場合は他の製品を選んだ方が良いと思います。

最終更新日:2023年2月14日

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