みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe(@WWDC1999)です。

今回は、先日の発表会でAppleが9.7インチのiPadの新型モデルとして発表した「iPad Pro」について個人的に思ったことを書いておきたいと思いマス。いつものごとく、個人的な意見ですので「こんな意見もあるんだなぁー」程度にご覧いただければと思います。

まず、私が「iPad Pro 9.7インチ」で評価できる事ポイントは「性能が上がった」というたった1つのみ。
これ以外の点で「iPad Pro」について良いと思うところはありません。

・出目金カメラが絶望的にダサい

私が言いたいの事の1つ目にして最大の苦言を呈したい箇所。
それが、突起したカメラこと「出目金レンズ」。

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iPhone 6以降のiPhoneで脈々と続けられてきた、カメラの突起がiPadにも伝播…。

正直誰得なんですかね…。
これに加えLEDフラッシュがまさかの「縦方向」に追加され、カメラ周りのデザインがかなり崩れたように感じています。

なぜiPhoneの様に横配置にできなかったのでしょうか。最大の疑問です。

・Apple Pencilが使えるけど、矛盾してない?

新型iPad Pro9.7は、Apple Pencilに対応しました。
これは大方の予想通りの実装で、特段驚きもしなかったポイントです(既に12.9インチのiPad Proが採用していますし)が、先述したカメラの突起とApple Pencil対応が合わさってかなりの矛盾を生む結果となってしまいました。

Apple pensil 02

その矛盾とは「Apple Pencilが使えるにも関わらず、机などに裸で置くとガタツク」というもの。

発表会に参加したジャーナリスト陣は「カメラ周りを執拗に押さない限りガタつかない」「普段利用でガタツクことはない」など、カメラの突起によって生じる不都合について肯定的な意見を述べていますが、この人たちの意見を鵜呑みにしてはいけません。

なぜなら、この人たちはAppleから招待されて発表会に参加している立場の人間です。
すなわち、下手なことを言うと摘み出されてジャーナリスト人生終了。と言うリスクを負っています。

そんな人たちが、まともな意見を言うとは思えませんよね。

・結局ケース併用が前提の設計に

「ガタついて快適に書けない」
そんな私の意見は大筋で当たっていたようです。

発売後の購入者レビューを見ていると、「カメラ周りで物を書くとiPadが浮き上がる」「カメラのサファイヤガラスが傷つくことが心配」など、出目金レンズについて否定的な意見がかなり噴出しています。

また、「9.7インチでApple Pencilが使える意味がわからない」など、9.7インチという物書きには中途半端な画面サイズでApple Pencilが使える意味を疑問視する声もありました。

確かに、先行して発売されていたiPad Pro 12.9は、画面が大きくてスタイラスが使いたくなる気持ちも十分理解できます。
しかし、9.7インチでスタイラスでお絵描きは流石に無理があったようです。っと言うよりも、その為に「iPad Pro 12.9インチ」が存在したんじゃなかったんですか?など思うことは色々です。

これら否定的な意見の反面、肯定的な意見ももちろんあります。

「ケースをすればガタつかない」や「持ち運べる限界サイズを考えたら丁度良いサイズ」など、人により意見は様々です。

とはいえ、個人的には「ケースをすればガタつかない」と言うのは、これまでのAppleのデザイン方針に反するもので、Apple信者としては大きな疑問を持ちます。

・スマートキーボードの必要性とは?

新型iPad ProにはiPad Pro 12.9同様、スマートキーボードが用意されました。

しかしながら、こちらについても「矛盾」にまみれる結果となっています。

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AppleはiPad Pro 12.9を発表した際、スマートキーボードについてどんな発言をしたのでしょうか?

「iPad Proでもフルサイズキーボードが使える!」

この事を声高々にアピールし、Appleのフルサイズキーボードに拘る理由などを過去の製品などを引き合いに熱く語っていましたが、今となってはアレは一体なんだったのでしょうか?

っと言うか、近年やってる事が全てブレッブレですけど。

Macbook 12インチは、MacBook Air 11インチと同じサイズながらも、ベゼルを狭くし、フルサイズキーボードを搭載しました。また、MacBook Airをリリースした時、Jobsはフルサイズキーボードの市場での重要性を強調しました。

そんな会社が、なぜ今になって「フルサイズキーボード」を諦める。

もちろん、本体サイズの問題上フルサイズキーボードが物理的に搭載できないことは理解しています。
その上で、「キーボード」以外のアプローチを考えるべきだったのではないかと思います。

確かに、iPadで物理キーボードを使える事に越したことはありませんが、それは既に12.9インチモデルで達成済み。
そもそも、iPad Pro登場前は別でキーボードを持ち歩くことが一般的でした。また、それをやっているのはごく少数派でした。

その少数派な意見を前面に打ち出し、「ミニサイズ」にも関わらず「iPadでキーボードが使えるようになった!」と声高々になるのはいかがなものなのでしょうか?

個人的には、製品の差別化の意味も含め9.7インチのiPad ProはApple Pencilの対応のみに留め、「iPad」としての地位を維持するべきだったように思います。今回のiPad Pro 9.7インチの登場により「iPad」のラインアップは混迷を極める結果になったようにも感じます。

・Apple、迷走してるよね。

比較的長い期間Appleを見ている身からすれば、このところのAppleは「迷走中」だと思っています。

先ほども触れましたが、iPhone 6以降カメラが出目金になり、本体デザインもDライン(アンテナ線)が入ったデザインになるなど、昔のAppleでは考えられないくらいダサい製品が増殖しています。

これらに加え、新機軸として投入したApple Watchもイマイチパッとしない仕上がりですし、使い勝手も称揚できるものではありません。私は、Fitbitの代わりとして使っているので、ある程度は妥協できていますがね…。米国のようにApple Payでも使えれば話が変わってくると言う話もありますが…。

何はともあれ、今回登場した「迷走したiPad Pro」を購入するかは各自のご判断に委ねますが、来年あたりにベゼルレス&OLED搭載のフルモデルチェンジ版の登場なども噂されていますし、個人的には見送った方が良さげな製品かなぁ。といった印象は否めません。

最終更新日:2018年11月8日