本日、Appleが今春にリリースする予定の「iOS 11.3」の新機能を発表しました。
発表された新機能を大きく分けると「AR機能の強化」「新しいアニ文字の追加」「バッテリーとパフォーマンスの改善」「ヘルスケアアプリケーションの改善」となっています。
・新しいAR体験
iOS 11と共に登場したARKitに、これまで以上に現実世界と一体化して目眩くような没入感にあふれるAR体験を実現するするため「ARKit 1.5」を用意し、これを新世代のARアプリケーションを生み出すパワーを備えたツールとしてデベロッパに提供するとしています。
このARKit 1.5には、従来のテーブルや椅子のような水平面の認識に加え、新たに壁やドアのような垂直面も認識してその上に仮想オブジェクトを置けるようになるほか、円形テーブルのような不規則な形の面もこれまで以上に正確にマップできるようになるとしています。また、カメラを通じて映し出される現実世界の眺めはこれまでよりも50パーセントも解像度が向上し、オートフォーカスのサポートにより、さらにシャープな遠近感が得られるようになるということです。
・メッセージに新しいアニ文字などが追加
iOS 11.3では新しい4種類のアニ文字が追加され、iPhone Xユーザであれば、ライオン、熊、ドラゴン、頭蓋骨のアニ文字を使って自分を表現できるようになります。
・バッテリーとパフォーマンス
昨年12月より問題となったいたiPhoneの性能抑制問題。
それに対応するためにiOS 11.3には、バッテリーの健康状態を伝え、バッテリーの修理が必要な時にそれを推奨してくれる新機能が加わるということです。この新機能は『設定』のバッテリー項目に用意され、iPhone 6以降で利用できるようになるということです。
さらに、iOS 10.2.1より導入された、iOSデバイスの最大パフォーマンスを動的に管理して予期しないシャットダウンを避ける電源管理機能がオンになっているのを確認すること、これをユーザーの判断でオフにすることもできるようになります。この機能も『設定』のバッテリー項目に用意され、iPhone 6/6 Plus/SE/6s/6s Plus/7/7 Plusで利用できるようにするということです。
なお、これらの機能はまもなくリリースされる「iOS 11.3 beta」から実装される予定とのこと。
・ヘルスケアアプリケーション内での健康の記録
新機能「Health Records」は、複数の場所に散らばるユーザーの医療データを1カ所に集めて必要な時に簡単に見られるようにするものです。この取り組みに参加する医療機関の患者であれば、それらの医療機関から集めた情報を整理してアプリケーション内のひとつの場所で確認したり、検査結果、投薬、身体状態などに関する定期的な通知を受け取ったりできるようになるということです。また、これらのデータは暗号化され、パスコードにより保護されるととのことです。
その他にも、Apple Musicにミュージックビデオが追加されたり、Apple Newsの改良、HomeKitソフトウェアの改良などが含まれます。また、Advanced Mobile Location(AML)への対応も含まれており、この機能に対応している各国の警察や消防、救急などの緊急サービスに電話を掛ける時は、通報先に通報者の現在位置が自動的に送信されるようになるということです。