みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、かれこれ2ヶ月以上前に公開した「Nokia 3310 3G」のレビューの続編です。
まだ前編をご覧になっていないという方は、先にそちらをご覧いただいてからお読みいただければと思います。

前回は、開封と簡単な仕様についてお伝えしていきましたが、今回はOS関連の詳しい仕様や禁断の国内利用について書いていきます。

なお、Nokia 3310 3Gは国内で使用するに当たって必要な技術適合認証を取得していませんので、国内での利用は電波法違反となります。今回、利用するIIJmioのSIMは訪日外国人向けに提供されている「Japan Travel SIM」(フルMVNO版)と「IIJmio タイプD」です。前者を利用する分には技適的にギリギリセーフな気もしますが、後者の利用は完全に電波法違反となりますので、利用する際は自己責任でお願いします。

・OS関連の仕様をチェック

まず、Nokia 3310 3Gに搭載されているOSについて。
前回、KaiOS(Java系)が搭載されており「GoogleアシスタントやGoogleマップ、Facebook、Twitterといったアプリが利用できる」とお伝えしていましたが、これができるのは「Smart Feature OS」のみ。Nokia 3310 3Gに搭載されているのは「Feature OS」で、スマートが付かない分Google系の機能を利用できないようです。

なお、「Smart Feature OS」はNokia 3310 4GやNokia 8110 4Gに搭載されているようです。

Nokia 3310 3Gに搭載のFeature OSのホーム画面

残念ながら、私はベースとなった元祖Nokia 3310を知っている訳ではありませんので、このOSが当時の機種と共通するUIや操作性を持っているかどうかはわかりませんが、元祖の発売年を考慮しても操作性などは全く新しいものになっていると考えられます。

また、Futureを感じさせる機能として「Mobile Store」が用意されており、Javaベースの数百種類のアプリケーションをダウンロードし利用できます。このストアのコンセプトは、AppleのApp StoreやGoogleのGoogle Playと殆ど同じものと考えて良さそうです。余談ですが、Googleが昨今のフィーチャーフォンの販売数増加に伴い、KaiOS系アプリの開発に投資を行うことも発表されており、もしかすると近い将来Google系アプリの利用が「Mobile Store」に用意されるかもしれません。

初期プリセットとして導入されているアプリを書き出しておくと、着信履歴確認、アドレス帳、フォトギャラリー、Opera(ブラウザ)、メッセージ(SMS)、Snake(ゲーム)、Mobile Store、カメラ、Facebook、ミュージック、Twitter、ラジオ、ビデオ、設定、アラーム、カレンダー、電卓、エクストラ(ストップウォッチ機能等)、ファイルブラウス、ボイスレコーダー、カウンター、懐中電灯となっています。

・ピーク時は1日18億回再生されていたNokia Tuneを聴いてみる

Nokiaの端末発表会で最も重要なポイントとして語られるのは、着信音に「Nokia Tune」が入れられているかどうか。

Nokia Tuneは、数多くの映画やドラマでも携帯電話の着信音として利用されて来るなど、Nokia端末を利用したことのない人でも聞き覚えがあるかもしれない有名な着信音です。これまで、どの様な形であれ「Nokia」の名前を冠する端末には導入されてきただけあり、Nokiaを象徴するといっても過言ではないサウンドです。

・IIJmioでの動作チェック!

ここからは、禁断の国内利用について調べていきます。
再度アナウンスしておきますが、Nokia 3310 3Gは日本国内で利用するにあたり必要な技術適合認証を取得していません。ご使用の際は自己責任でお願い致します。また、いかなる場合でも本サイトは一切の責任を負いません。

まず、IIJmioでの利用の可否を端的に述べるのであれば、「普通に使える」というのが結論です。
事前に調べたところ、MVNO回線では使用できなかったと報告している方も散見されますが、それらは正しいAPN設定が完了していないものと推測されます。

事実、『Settings』>「Connectivity」>「Access points」>左下の三本線「New access point」からAPN設定を追加できますし、以下の通りAPN設定を行えばIIJmioでの国内利用(通話&データ)も可能です。

Name「IIJmio」

Username「mio@iij」

Password「iij」

Access point「iijmio.jp」

Network type「HTTP」

IP type「IPv4, IPv6」

また、『Settings』>「Network type」にて「3G if available」に設定しておくと、「3G Only」よりも安定する気がしています。

この設定を行えば、IIJmio タイプD、Japan Travel SIM(フルMVNO版)が利用できることを確認しました。なお、タイプAに関しては端末自体にKDDI網に対応するアンテナがないため、設定を行っていても通信を行うことはできません。また、他のMVNOでの動作確認は実施していませんが、上記のAPNを各社から提供されている仕様に入れ替えれば利用できるものと考えています。

・通話品質を確認

携帯電話で最も大切なもの。それは「通話品質」です。
特に、そこまで多機能ではないNokia 3310 3Gのような機種では、通話品質の真価が問われます。

そこで、通話品質や通話時の音質などを確認すべく、以下の2通りの検証(実際に通話)をIIJmio タイプDのSIMを用いて行いました。

・Nokia 3310 3GからiPhoneへ発信・着信

・Nokia 3310 3Gからau ケータイ(3Gガラケー)への発信・着信

これらの検証の結果、発信・着信を問わず圏内であれば安定した通話品質を保ち会話ができるものの、Nokia 3310 3G側のマイクが貧弱なせいか相手に聞こえる音質はかなり劣化している。という結果となりました。しかしながら、スピーカー性能が良いためか、相手の声の音質は au ケータイと比べても大きな差異は感じられませんでした。

・その他の機能などについて

Nokia 3310 3Gには、様々な機能が実装されています。
基本的な機能は、日本国内で販売されているガラケーと同じといってよいかと思いますので、普段使いで「この機能が欠落している」など不便を感じることは、まずないと思います。

その上で、個人的に取り上げておきたい機能として「カメラ」「ラジオ」があります。

本機にはカメラが搭載されており、動画撮影やムービー撮影が可能で、撮影した写真を各種SNSに投稿するといったことも問題なくこなせます。しかしながら、昨今の携帯電話カメラの性能向上の波には完全に置いていかれており、お世辞にもその性能を称揚することはできません。

Shot by Nokia 3310 3G

しかしながら、フィルムカメラや「写ルンです」がInstagramの影響で再び脚光を浴びている今、あえて画質が悪い本機種で味のある写真を撮るというのも面白いかもしれません。

・「ラジオ」機能が国内でも普通に使える

Nokia 3310 3Gにはデフォルトで「Radio」アプリが用意されています。
フィリピン滞在中に、現地のラジオを聴けたことは確認していましたが、何気に日本で起動し「Auto tuning」をかけたところ数局の電波を拾うことができ、普通にラジオを聴取することができました。

今や、radikoなどを利用すれば iPhoneでもラジオを聴くことができるようになりましたが、渡航先で現地のラジオを聴けるというのは便利かもしれません。

・総評

Nokia 3310 3Gはどんな人にオススメなのか?
という質問を投げかけられても「わからない」としか答えることはできません。

私も、Nokia端末が欲しかったという単純な理由で本製品をフィリピンで購入していますし、機能的にも明確な使用理由を見出すことはスマートフォンが普及している現在では、かなり難しいことだと思います。また、2019年後半には各国で4Gに次ぐ次世代通信規格「5G」の運用が始まろうとしていますし、各国で行われている2G回線の停波の波が3Gに及ぶことも想像に難くなく、今後の立ち位置はかなり厳しいものになることも考えられます。

これらに加え、前編で触れた通り日本語環境下での実用には難しい部分もあり、海外(主に途上国)で使用するというのが最も正しい使い方だと思います。(日本に無理やり連れてきたのはお前だろという話はありますが)

そもそも、本記事をここまで読んで下さった方は、購入の背中を押して欲しいという方が多いと思いますので、余計なことを考えさせてしまうような事を書くことは控えますが、「欲しい」という気持ちが心にあるのであれば、(例え使い道がなくても)買っても後悔はしないと思います。

入手先は人それぞれになると思いますが、フィーチャーフォンとしては良い機種ですので、皆様の最適な入手経路で「Nokia 3310 3G」を購入されてはいかがでしょうか。

・個人輸入したいという方はこちら

最終更新日:2023年8月30日