2024年7月30日より、Apple が2022年より米国を皮切りにサービスを提供してきた、Emergency Call via Satellite こと「衛星経由の緊急 SOS」機能が日本国内でも利用可能となりました。
この記事では、衛星経由の緊急 SOSの使い方やテスト方法をご紹介します。
衛星経由の緊急 SOS とは
衛星経由の緊急 SOS は、衛星通信を利用し、モバイル通信や Wi-Fi の電波が届かないところでも緊急通報サービス(警察・消防)にテキストを送信できる機能です。
衛星に接続すると、iPhone は緊急通報サービスの担当者とのテキスト通信を開始し、メディカル ID や緊急連絡先情報(事前設定した場合)などの重要情報、緊急事態に関する質問への回答内容、通報者の位置情報(高度を含む)、iPhone のバッテリー残量が伝えられます。
本機能は現地の緊急通報先に連絡を試みたものの、一切の接続がない場合に起動し、テキストにより救助要請を行えます。
テスト方法
1.『設定』>「緊急SOS」>「衛星経由の緊急SOS」
2.「デモを試す」
デモが開始されると、画面の表示に従うことで、テキストでの衛星経由の緊急 SOS 機能を体験できます。
対応機種
本機能を利用するには、iPhone 14 シリーズ、iPhone 15 シリーズのいずれかのモデルが必要となります。
日本国内での利用には、これらのデバイスで iOS 17.6 以降を実行している必要があります。
サービスが提供されている国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スイス、英国、米国となります。
なお、アルメニア、ベラルーシ、中国本土、香港、マカオ、カザフスタン、キルギスタン、ロシアで購入した iPhone は、衛星通信接続機能を有していないため、対応デバイスでもサービスの提供外となっています。
衛星経由の緊急 SOS の動作要件
衛星経由の緊急 SOS は、携帯電話ネットワークや Wi-Fi 接続がない僻地でも地域に応じた緊急通報サービスに接続できる機能です。
名前の通り、宇宙空間にある人工衛星を経由して通信を行うため、空への視界が開けて、地平線がはっきりと見通せる屋外で、衛星をユーザーの手によって追従し続ける必要があります。なお、アラスカ北部などの、緯度が62°よりも高い場所では衛生通信接続が機能しない場合があるとしています。
接続状況が良好な場合、15秒ほどでメッセージを送信できるとしていますが、さほど葉が茂っていなくても木の下や遮蔽物がある場合では1分以上かかる場合があるとしています。
衛星経由の緊急 SOS に対応している国や地域を訪れている旅行者も、衛星経由の緊急 SOS を利用できます。