みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、Apple のスマートスピーカー HomePod mini をレビューします。
・フォトレビュー
パッケージ
本体
本体上部のボリューム上下センサー
本体底部のゴム足にはロゴと各種表記
会話中は上部のフルカラーLEDが点灯
設置例
・音質について
HomePod mini の音質をひとことで言い表すと、「不快な音はないが何か物足りない」という表現が個人的に一番しっくりきています。
約1万円という価格に見合う音質かといわれると、少々疑問が生じる音ではありますが、低音〜高音のどの部分にも耳障りになるような不快な音は一切ありません。この辺りは、EarPods や AirPods 然り、Apple の音作りの特徴ともいえる点で、ハズレがないという意味では評価できる部分だと思っています。
しかしながら、「作り上げられた耳障りのない音感」は否めず、低音が強調された透明感のない、音の厚みがあまりない音に仕上げられています。これも Apple の音作りのある意味での特徴であり、AirPods などの Apple 製オーディオ機器を利用している人には聞き馴染みのある音だと思います。
・機能性について
HomePod mini は、Amazon Echo や Google Home と同じスマートスピーカーに分類される製品です。
そのため、HomePod mini にも音声アシスタント機能が搭載されています。Apple の 音声アシスタントであるため、iPhone や Mac でもお馴染みの Siri が利用できますが、そもそもの Siri の出来がお世辞にも良いとはいえないレベルであるため、「あー、うーん」と頭を抱えさせられることが多々あります。
音声アシスタントの知能については、一番出来の良い Google アシスタントでも4歳児程度の知能しかないとの調査結果もありますので、これは HomePod mini に限った問題ではないことは付け加えておきます。
それ以外の部分では、iPhone で再生中の音楽を AirPlay でワイヤレス転送することができ、他の Bluetooth スピーカーよりも遅延が少ない点などは、Apple が自社製品のために作っているだけあり、他のどの製品よりも完成度、品質共に高く満足できるものです。
iPhone 11 以降の U1 チップ搭載デバイスでは、iPhone を本体に近づけるだけで音楽が転送できる。
また、使用するシチュエーションがそこまでないという問題はありますが、インターコム機能は家族やグループメンバーに電話やメッセージをする程でもないけれど、何かを伝えたいというときに 相手の iPhone にボイスメッセージを入れれるので、意外と重宝します。
・総評
HomePod mini が万人に必要かと聞かれれば、答えは迷わずに「No」です。
Apple Music を利用したり、音声アシスタントを利用するという基本的な部分は他製品でもできることであり、HomePod mini でなければならない理由は感じられません。
加えて、他の音声アシスタントと比較すると、Web 検索機能が弱く、質問の回答が Web にしかない場合は全て iPhone に情報が転送される仕様になっています。他社の音声アシスタントは、Web 検索の結果をそのまま読み上げることができ、一連の動作がデバイス内で完結できるため、HomePod mini のこの仕様はかなりイマイチなポイントです。
また、スピーカーとしては廉価な部類になることもあり、十分な音質であるとはいえず、Apple Music 専用として買うにしても役不足感が否めません。
とはいえ、iPhone や iCloud サービスとの連携という意味では、他のスマートスピーカーを凌駕する利便性を発揮しています。HomePod mini から iPhone を探すためにサウンドを鳴らすことができるなど、Apple 製品同士の組み合わせでなければなし得ない機能に関しては、文句の一点も付けようがありません。
さらに、本体上部のフルカラー LED は、Siri が話している間は様々な色でゆらめいており、視覚的に Siri が動作中であることがわかる上、美しい絶妙なゆらめきで見ていて飽きません。この辺りのこだわりは他社の製品にはなく、Apple らしさや同社の設計思想が垣間見え、「流石だな」と思わせられます。
現状、万人が必要としている製品ではありませんが、製品のレベルとしては一定の水準に達しており、十分に購入を推奨できる製品です。これからスマートスピーカーを買いたいという方や、存在が気になっているという方は購入を検討してみてはいかがでしょうか。