［レビュー］Belkin BOOST↑CHARGE Wireless Charging STAND 15W をチェック

みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、Belkin BOOST↑CHARGE Wireless Charging STAND 15W をレビューします。本製品は、最大15Wのワイヤレス充電ができる Qi 規格のワイヤレス充電器です。

Contents

・フォトレビュー
・動作検証
・どこからか聞こえる異音
・総評

・フォトレビュー

内容物は本体、充電器、USB-A to USB-C ケーブル、取り扱い説明書

本体

縦置き

横置き

・動作検証

Qi 規格に準拠するワイヤレス充電器には、安全性を確保するために異物検知機能と過電圧保護機能の実装が義務付けられています。

エラーが出た場合、本体のLEDが赤色に点灯する。（通常は白色点灯）

本製品は、Qi 規格を策定する Wireless Power Consortium の製品データベースに登録されている製品であり、規格策定元により規格を満たす製品と認定されています。そのため、製品に問題がある可能性は極めて低いですが、動作確認の意味も込め、本誌でも検証を行いました。

コインと金属製のしおりを挟み込んだ場合のいずれでも、異物検知機能が動作し、通電が停止することが確認できました。

しかし、両者には若干の挙動の違いが見られました。充電器と iPhone の間に挟み込んだ段階でしおり側は異物検知機能が動作し、通電を停止したことを知らせる赤いランプが点灯したのに対し、コイン側は、充電器に載せた段階では異物検知機能は動作せず、スマートフォンを乗せても通常通り通電が行われ、約1分ほどで異物検知機能が動作し通電が停止しました。

また、10Wで行った過電圧保護機能のテストも、10W以上の出力が出ることはなく同機能が有効に作用していることが確認できました。

・検証のレビュー

今回、本誌で実施した検証の結果は良好であり、安全性を脅かすような仕様は認められませんでした。
しかし、異物検知機能の仕様に関してのみ、気になった点があります。

金属製のしおりの場合、充電器と iPhone の間に挟み込んだだけで異物検知機能が動作したのに対し、コインの場合は一時的とはいえ、通電した後でないと同機能が動作しない仕様となっていることが確認できました。他社製品の中にはコインを挟んだ場合、そもそも通電しないものがあることを考えると、もう少しベターな仕様として欲しいと感じました。

なお、この仕様は先日レビューした Belkin BOOST↑CHARGE Wireless Charging Dual Pads 15W も同様の仕様であったことを付け加えておきます。

・どこからか聞こえる異音

本製品の検証を終え、本稿を執筆している際にどこからか「ピー、ピー」という高いノイズが小刻みに聞こえることに気が付きました。

本誌では、検証を行う前に必ず部屋に異常（ノイズなど）がないか、電子機器が電波を発する状態にないかを確認してから検証を開始するため、本製品がノイズを発生させていることは明らかでした。撮影用の SONY α6500 との干渉も考えられたため、カメラを部屋の外に出しましたがノイズは消えませんでした。

そこで、本製品のワイヤレス充電器本体および AC アダプターにマイクを近づけ確認したところ、付属の AC アダプターからノイズが発生していることが判明しました。

本製品に付属している AC アダプターは、Quick Charge 3.0 に対応した USB-A ACアダプターです。5W以上のワイヤレス充電器の場合、Quick Charge、USB-PD、専用ACアダプターのいずれかが必須となるため、本製品には Quick Charge 対応の AC アダプターが同梱されています。

この AC アダプターが今回のノイズの原因であり、他社製の Quick Charge 3.0 アダプターを使用したところ、同じノイズは聞こえなくなりました。このことから、このノイズが本製品特有の問題であることがわかります。また、ノイズが発生する環境は、充電器にデバイスを載せていないスタンバイ状態や、デバイスの充電が完了した時の「通電」状態のみに限られます。

なお、本製品に USB-PD 充電器での給電を試みたところ、動作はするものの最大5W充電となってしまうため、USB-PD 充電器を使用するというのは現実的ではありません。