みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、Belkin BOOST↑CHARGE Wireless Charging Dual Pads 15W をレビューします。本製品は、2台同時に最大15Wのワイヤレス充電が可能な Qi 充電器です。
・フォトレビュー
内容物は本体、ACアダプタ、取扱説明書
本体
使用例
本製品のワイヤレス出力は15W/10W/7.5W/5Wに対応しており、Qi 規格に対応する幅広いデバイスを充電することができます。但し、iPhone 12 シリーズの MagSafe ではないため、これらのデバイスでも最大7.5Wでの充電となります。
・動作検証
Qi 規格に準拠するワイヤレス充電器には、安全性を確保するために異物検知機能と過電圧保護機能の実装が義務付けられています。
エラーが出た場合、本体のLEDが赤色に点灯する。
本製品は、Qi 規格を策定する Wireless Power Consortium の製品データベースに登録されている製品であり、規格策定元により規格を満たす製品と認定されています。そのため、製品に問題がある可能性は極めて低いですが、動作確認の意味も込め、本誌でも検証を行いました。
コインと金属製のしおりを置いたテスト
上記のコインと金属製のしおりを置いたテストでは、充電器に載せた段階でしおり側は異物検知機能が動作し、通電を停止したことを知らせる赤いランプが点灯しました。コイン側は、充電器に載せた段階では異物検知機能は動作せず、スマートフォンを乗せても通常通り通電が行われましたが、約1分ほどで異物検知機能が動作し、こちらも通電が停止しました。
また、10W出力で過電圧保護のテストを行ったところ、上記の通り8.4V/1.4A(11.76W)になった時点で同機能が作動することが確認できました。
公称値の10Wに対し、+1.76Wのオーバーが見られましたが、本製品が最大15Wの出力に対応していることや、10Wの Qi 充電器は+2W程度のしきい値が標準的に設定されていることを考えると、この数値は問題になるような数値ではありません。
※ Qi 規格のワイヤレス充電器の検証を行える機材は、現状最大でも10Wまでのものしかなく、15Wに関しては検証を行えておりません。
・検証のレビュー
今回、本誌で実施した検証の結果は良好であり、安全性を脅かすような仕様は認められませんでした。
しかし、異物検知機能の仕様に関してのみ、気になった点があります。
金属製のしおりの場合、充電器にしおりを置いただけで異物検知機能が動作したのに対し、コインの場合は一時的とはいえ、通電した後でないと同機能が動作しない仕様となっていることが確認できました。他社製品の中にはコインを挟んだ場合、そもそも通電しないものがあることを考えると、この仕様はいかがなものかと感じました。
・総評
Belkin 製ということもあり、デザイン性(とりわけApple 製品との相性)、品質は非常に高く、とても満足のいく製品に仕上がっています。
また、2台同時に最大15W出力ができるワイヤレス充電器は、本稿執筆時点ではほとんど存在せず、世界的に名が通る有名メーカーによる製品は本製品のみとなります。
15W出力に対応しているため、最新スマートフォンの同時充電や、AirPods などのワイヤレス充電に対応したガジェットとスマートフォンの同時充電など、様々なシーンで活躍できるポテンシャルを持っていると思います。
ただし、先述した異物検知機能については、通常使用をする限り問題になることはほとんどないと思われるものの、もう少しベターな仕様として欲しかったと感じています。