みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、2021年9月24日より販売が始まった iPad 9 Wi-Fi モデルのレビューをお届けします。
・そもそも iPad 9 とは?
iPad 9th Generation は、初代 iPad から続いてきたナンバリングを受け継ぐ伝統的な iPad シリーズです。他の iPad シリーズからホームボタンがなくなる中、iPad で唯一初代 iPad からデザイン的な DNA を受け継いでいるモデルとなっています。
今回のアップデートにより、A13 Bionic チップ、True Tone を搭載した10.2インチの Retina ディスプレイ、Center Stage を備えた12MPウルトラワイドフロントカメラが新たに追加されています。
・開封
パッケージ
iPhone からはなくなったビニール梱包が健在(シュリンク梱包の線が見える)
こんにちは
なんか説明書大きくなってない?
付属品は USB-C 充電器と USB-C – Lightning ケーブル
説明書の中身は3点
本体の梱包は従来のビニールから紙へ
ホームボタンが健在の表面
裏面
スピーカーと Lightning 端子
カメラと電源ボタン、音量調節ボタン
イヤホンジャックも健在
SmartConnector
電源入れてみる
往年の Hello がディスプレイ上に復活
iPadOS 15
9.7インチと比較すると若干デカくなっている
・Geekbench 5 を走らせてみた
事前の情報通り、6コア A13 Bionic と 3GB RAM の構成となっており、iPhone 11 シリーズと同等の性能です。
・iPad 8 からの変更点
見た目上、iPad 8 から大きな変化はないものの、A13 Bionic 以外にも変更点がいくつかあります。
まず最も大きく変わったのはインカメラ(ディスプレイ側)の性能です。アウトカメラ(背面側)の性能は広角8MPと前モデルから据え置きとなっていますが、インカメラに関しては、12MPの超広角フロントカメラが新たに搭載されています。これは、新しい iPad mini にも搭載されているもので、iPad 8 が1.2MPだったことを考えると画質の向上は著しいものとなっています。
性能を確認するため、比較撮影を行ってみました。(無編集)インカメラの広角がいかに広いものになっているかは一目瞭然かと思います。個人的には、映したくないものまで映ってしまうため「広すぎんか?」と感じるほどでした。インカメラの性能向上により、1080p/60fps の動画収録が可能になりましたが、あくまでも 1080p/60fps サイズの動画が撮れるようになっただけで期待は禁物だと感じました。
なお、アウトカメラについてはいつも通りガビガビの写真を撮ることができます。
もちろん、これらの写真は無編集・撮って出しであるため Lightroom などで誤魔化せばもう少し綺麗になるとは思います。ですが、今回のカメラ性能の向上は、あくまでもビデオ通話の機能向上(センターフレーム)を目的に搭載されており、写真品質の向上を目的としたものではないと考える方が良いと思います。
変更点はカメラにとどまらず、ディスプレイにも及んでいます。
iPad 9 は、ディスプレイの明るさや色温度を自動で調整する機能「True Tone」に対応しています。これは、センサーを用いて、ディスプレイの色と明度を周囲の光に自動的に適応させ、画像をより自然に表示してくれるテクノロジーです。
また、今回のディスプレイは sRGB にも対応していますので、Webデザインやオンラインコンテンツの色確認などでも iPad 9 を使うことができます。
さらに、iPad 9 はこれまで非対応だった高速充電にも対応しています。USB-PD 充電器を利用することで、20Wの高速充電が可能となっています。
100W充電器で充電
これにより充電時間が大幅に短縮され、充電時間が他の iPad シリーズよりも遅いというこれまで不便だった点を解決しています。
・使用感
基本的に iPad シリーズには iPadOS 15 が搭載されているため、操作感などは全ての iPad と共通しています。
また、iPad としては最廉価モデルとなるため、この iPad にしかない機能というものは一切存在せず、ホームボタン搭載の従来デザインの iPad を使っている方は何の違和感もなく使用できます。ただ、iPad 6などの9.7インチモデルからの買い替えの場合、画面サイズの大型化の恩恵を被ることができると思います。
実際、使い比べてみるとサイズはさほど変わらないにも関わらず、画面の拡大率はそれ以上のもののように感じ、全てのコンテンツがより大きく見えるため使いやすいように感じます。また、A13チップにより、動作は爆速になっていますので、こちらもなかなか快適な環境を提供してくれているように感じます。
・総評
一番安い iPad なんて…。と思う方も多いかもしれませんが、性能は十分すぎるものがありますし、従来からのデザインを踏襲している点は古めかしい印象を受ける一方で、洗練された操作感を提供しているとも言えます。
事実、教育現場やビジネス現場で最も採用されている iPad はこの iPad シリーズであり、多くのユーザーから支持を得ていると私は思っています。その最も人気な iPad がより高い性能を手に入れ、よりパワフルな作業ができるようになっただけでも、iPad 9 の存在は大きいと思います。
非常に良い製品となっていますので、気になる方は購入してはいかがでしょうか。