みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe(@WWDC1999)です。

今回は100円ショップでとんでもないゲテモノを発見しましたので、ご紹介します。

タイトルで既にお分かりかと思いますが、100円ショップで販売されている800円のモバイルバッテリー。近頃、100円ショップが100円以外のものを売り出し、低価格の雑貨屋さん的な立ち位置になってきていますが、まさにそんな状態を象徴するかのような製品です。

普段から、様々なメーカーのモバイルバッテリーを検証している当サイトとしては、検証しないわけにはいきません。

そんな訳で、開封とレビューをしていきたいと思います!

・開封

パッケージ

内容物は本体のみ

本体上部には電源ボタン、本体充電用MicroUSB inポート、USB-Aポートがあります。

底面には本体の仕様がプリントされています。

バッテリーの残量を示すインジケーターは4段階。

外装はアルミですし、残量インジケーター機能など¥800にしてはよくできているかな?と、言ってしまえばそれまでですが、モバイルバッテリーのレビューを数多く行ってきた本サイト(というか私)が、このまま逃す訳もありません。

まずは、電流チェックから。
(この時に初めて気づきましたがオートパワーオンに対応しています)

iPhone 6s接続時に4.95V/1.36Aと急速充電ができています。

iPad Air 2接続時は4.91V/2.03Aの出力を確認できました。

本製品はパッケージにも記載されている通り、iPadの充電に対応した電流(1.5A以上)を流せていることを確認できました。しかし、こちらもパッケージに記載されていますが、Apple製品以外の製品を充電しようとした場合、最大1Aの出力に落ちてしまいます。

実際、Zenfone 3で確認してみると…

5.01V/0.44Aと充電できているか怪しいライン。

詳しく書くと長くなるので今回は割愛しますが、Androidが不利になってしまうのは、Apple製品とAndroidなどの充電回路の仕組みは異なる箇所があり、両方に対応した回路を採用するとなると更にコストが増加してしまうため、Apple製品の充電に特化した割り切った仕様としたと推測できます。

ある意味、Appleユーザーが多い日本市場向きな商品だとはいえそうですが。

本体への入力(充電)はカタログ値通りの1A程度となっていました。

・詳細を確認

最後に、専用機材を用いて、実行容量や保安機能が作動するタイミングをチェックしていきます。
まず、保安機能が動作するタイミングのチェックから。

テストを行ったところ、最大供給電流は公称 2.1A に対し、破損対策となる過電流保護が動作する負荷は 2.5A で、公称値をクリアする結果となっています。価格が価格なだけに過放電防止などの安全機能が実装されていない可能性も考えていましたが、最低限の保安機能は実装しているようです。

次にバッテリーの実行容量をチェック。

表記容量が4000mAhに対し、実効容量が2455mAh(-38.6%)と変換ロス値標準ラインの -20% を下回る結果となりました。

・総評

これらの結果を総括すると緊急時に購入するには良いがわざわざ買う必要はない製品だと考えています。

実際問題、充電速度もAppleユーザーが使うには良いかもしれませんが、その他のデバイスで使おうと考えてらっしゃる方には不向きですし、バッテリーの実行容量も標準値ラインを大幅に下回っており、効率の良い充電ができているとはいえません。また、本体への充電も2A対応が主流でUSB-PD対応製品が出てきている現状で、2Aと比較して充電に倍以上時間のかかる1A入力にしか対応していないというのも使い勝手としては非常に悪いと思います。

更に、私が店頭で本製品を購入した時点でバッテリー残量を確認したところ、インジケーターのランプはバッテリー残量が少ないことを示す、ランプ1つのみの点灯でした。このことを考えても、緊急時に十分な充電ができるかは相当怪しく、カケともいえそうです。

私のようにネタとして買われたり、中のパーツだけが欲しい。という方にはとても面白い商品だとは思いますが、普通のモバイルバッテリーとして本製品を購入されることは推奨できません。

似たようなデザインのモバイルバッテリーが欲しいという方はこちらをどうぞ。

最終更新日:2020年1月27日