みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、ダイソーで販売されている2ポートの USB-C 充電器をレビューします。今回レビューする製品は、以前レビューした製品の進化版ともいえる製品で、USB-C ポートの数が増やされています。
これに伴い、一応は100円ショップを名乗るダイソーですが、¥1,100(税込)と10倍の価格になっており、1ポート製品よりも¥300高くなっています。
Contents
開封
パッケージ
本体
USB-C ポート
プラグは折り畳み式
サイズは大きい
本製品は、2024年に販売されている USB-C 充電器とは思えないほど大型な筐体です。
2ポート40W充電器との比較
同じ2ポートの USB-C 充電器であれば、本製品の倍の40W出力が可能な製品と同等サイズとなります。
20Wクラスの製品であれば、Apple 5W充電器と遜色ないサイズ感のものもあるため、本製品は現在の市場の流行からは遠い存在といえます。
しかし、小型化やデザイン性を捨てれば、低価格化を追求することができ、本製品の製品趣旨としてはそちらであるため、細かいことをいうのはナンセンスでしょう。
本体の仕様をチェック
USB-C ポートの Power Data Object(PDO)と USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、各ポートの過電流に対する保護機能を確認しました。
確認の結果、メーカーが提供する PDO と実際の PDO が一致していることを確認できました。また、本製品には PPS の実装はなされていないこともわかりました。
なお、本製品は USB-PD 以外の急速充電規格に対応しており、厳密に言えばこれは規格違反に当たるものですが、近年ではこの仕様が一般的かつ、安全に他の急速充電規格を実装することができるため、安全性の問題はありません。
次に、過電流に対する保護機能の動作状況を確認しました。
過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として充電器には必要不可欠なものです。
確認の結果、過電流保護機能はいずれも+0.5A程度で動作することが確認でき、保護機能として有用に動作することを確認できました。
最後に、各種デバイスへの給電状況をチェッカーを使用して確認します。
確認に使用したデバイスは、iPad Air 6、iPhone 15 Pro の2機種で、いずれのデバイスでも高速充電が動作していることを確認できました。
使用感
これは本製品に限った話ではありませんが、筆者は20W程度の充電器に複数のポートをつける意味がわかりません。
ギリギリコンセントには干渉しない
本製品も1ポートでは20Wの USB-PD 出力が可能で、スマートフォンやタブレットを高速充電することができます。
しかし、2ポート同時の使用となると、両ポート合計最大15Wの出力に制限され、USB-PD 出力を失い、大幅に充電速度が低下します。
昨今、デバイスの充電は USB-PD による20W以上の充電が主流であり、2ポート同時使用をした本製品の充電速度は壊滅的なもので、2020年代に実用に耐えうる水準ではありません。
そのため、両方の端子が USB-C である必要性がなく、同じ出力でも USB-C&A の構成となっているバージョンの方が、まだ使い勝手が良いでしょう。さらに、価格差を考えても USB-C ポートが2つ必要なのであれば、冒頭の1ポート製品を2つ購入した方が USB-PD の性能を最大限活用することができ、合理的でしょう。
総評
存在意義が謎なものの、物自体に問題はない。
本製品の完成度を一言で言い表すと、こうなります。先述の通り、20Wの充電器に USB-C ポートが2つ必要な意味がわかりません。
複数の USB-C ポートを必要となるならば、本製品ではなく他のメーカーの出力の大きい製品を選ぶべきです。しかし、充電器の基本的な性能としては大きな問題はなく、本製品の仕様に価値を見出せるのであれば、購入して良いと思います。