みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
この記事では、Apple 高速充電を基本の基本から解説していきます。
・そもそも Apple 高速充電とは?
Apple の高速充電とは、そもそもなんぞや?という話ですが、iPhone 8/8 Plus/X 以降の iPhone および、iPad Pro の全て(9.7を除く)、iPad mini 5、iPad Air 3、iPad 9 以降の iPad がサポートしている従来よりも高速な充電方式です。
従来までは 5V/2.4A(12W)を最大とする Apple 2.4A での充電が iPhone と iPad における最も速い急速充電でしたが、高速充電の登場により 9V/2A(18W)以上でのより速い充電ができるようになりました。
高速充電には、従来の充電設備とは異なる設備が必要とされており、USB-C 充電器と USB-C – Lightning ケーブルを使用することが動作の必須条件となっています。これは、Apple 高速充電が USB を使った電力供給規格 USB Power Delivery を利用したものになっているためです。
・使用条件
Apple 高速充電を使用するには、先述の通り USB-C 充電器と USB-C – Lightning ケーブルが必要となります。
USB-C 充電器(例)
USB-C – Lightning ケーブル(例)
これは、長年 iPhone に同梱されていた充電器および充電ケーブル(USB-A)とは全くの別物で、従来の充電器を使用しても高速充電を利用することはできません。
・高速充電にも世代が存在する
意外にも知られていませんが、Apple 高速充電にも世代が存在します。
現時点で最も新しいのは 20W を標準とする第2世代(Apple がこの呼称を使用しているわけではないが便宜上)であり、iPhone 12 シリーズおよび iPad 9、iPad mini 6、iPad Air 5、iPad Pro(2021)以降のデバイスがこの最新の高速充電をサポートします。
これよりも古く、かつ iPhone 8/8 Plus/X 以降の iPhone および、iPad Pro(9.7を除く)、iPad mini 5、iPad Air 3 以降の iPad に関しては、第1世代の 18W を標準とする高速充電が使用されています。
Apple 純正品であれば、この2世代の高速充電規格は一定の互換性が確保されており、20W充電器で18W対応デバイスを、18W充電器で20W対応デバイスを高速充電することができます。
しかし、それ以外の充電器で20Wの高速充電を利用するには 9V/2.22A のプロファイルを持つ製品もしくは、USB-PD 3.0 に対応した充電器が必要です。
一部の USB-PD 2.0 充電器では18Wデバイスは高速充電することができますが、20Wの高速充電はおろか、そもそも充電できないというケースもあります。
そのため、Apple 高速充電を使用する際は、USB-PD 3.0 の記載がある充電器を使用することを推奨します。
ただし、Apple 純正充電器は USB-PD 2.0 でも高速充電に使用できます。
・よくある間違った使い方
Web 上の充電器のレビュー記事などを見ていると、高速充電の間違った使い方をしている方をよく見かけます。
間違った使い方の代表例
その間違った使い方とは、USB-C 充電器に「USB-C to USB-A(メス)変換アダプタ」を接続し、USB-A – Lightning ケーブルを使用する、または USB-A 充電器に「USB-A to USB-C(メス)変換アダプタ」を接続し、USB-C – Lightning ケーブルを接続するというものです。
前者はともかく、後者については「USB-A to USB-C 変換アダプタ」自体が USB の規格に違反しているもので、デバイスを過電流で壊す可能性のある大変危険なものです。そのため、この使い方は絶対にマネしないようにして下さい。
なお、前者についても USB-C 充電器を使用しているにも関わらず、5V/1A(5W)という非常に遅い速度での充電となりますので、保安上の問題はありませんが、こちらもマネすることは到底おすすめできないものです。
当然ですが、これらの使い方は高速充電発動の基準を何も満たしていないため、高速充電を使用することは絶対にできません。
・積極的な活用をオススメ
Apple 高速充電は、いずれの世代でも30分で0%→50%以上の充電ができるとされており、実際かなりのスピードで充電ができます。
特に、iPad や iPhone 13 Pro Max といったデバイスのバッテリー容量が多いデバイスでは、30Wの充電にも対応しているため、18/20Wなどの標準的な高速充電よりもより速くデバイスの充電を行うことができます。
さらに、高速充電のデメリットとしてよく挙げられている発熱についても、充電速度の細かなコントロールにより最低限に抑えられており、バッテリーの寿命を著しく損なうようなものではありません。(この程度の発熱でバッテリーが〜と言っていたら爆熱なワイヤレス充電はどうなんだという話がある)
短い時間でデバイスの充電を完了できるのは、就寝時の充電忘れ&朝に短時間の充電、外出先のカフェで少しだけ充電。というシーンで大活躍しますので、誰もが使うべき機能だと思います。