みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は USB-C 充電器にまつわるアレコレとして、なんだかんだでご質問の多い、必要以上に大きいW数の USB-C 充電器を、非対応デバイスで使用するとどうなるのかをご紹介します。

問題はない

本記事をご覧いただいている方の多くは、「60W充電器で20Wしか対応しないスマホを充電して大丈夫?」という疑問をお持ちだと思います。

結論から書きますが、必要以上に大きいW数のUSB-C充電器を非対応デバイスで使用しても問題はありません

筆者は100W充電器でスマホを充電する常習犯です(意味ない)

これは、USB-C 充電器の仕様上、本格的な充電を開始する前に、デバイスから対応する最大W数の情報を聞き出し、その範囲でしか充電を行わないという機能の実装が義務付けられているためです。

そのため、20W〜30Wが主流のスマートフォンやタブレットの充電に、60Wや140Wの充電器を使用しても、60Wや140Wの電流が流れることはなく、20〜30Wの充電器に擬態して、デバイスを充電します。

必要以上と思いきや

必要以上にW数の大きい充電器を使用しても、安全性に問題がないのは上記の通りです。

ですが、必要以上に大きいW数の充電器を使用することで、実は気付いていなかったデバイスの「本当の実力」に気が付くことがあります。

iPad Pro(M2)

例えば、現在 Apple が販売している iPad シリーズには、全モデルに共通して20W充電器が同梱されています。

しかし、iPad Pro 12.9インチモデルの最大入力W数は45Wとなっていますし、廉価版の iPad 10 に関しても30Wが最大W数となっています。

近年では Apple に限らず、充電器などの付属品を簡略化する傾向があり、充電器が同梱される場合でも、最も安価に製造できる20W充電器が付属品として選ばれ、同梱されてる充電器がそのデバイスに最適なものとは限らなくなりました。

そのため、「過剰だと思っていたけど大きいW数の充電器を使用したら充電速度が速くなった」ということが起こることもあり、より大きなW数の USB-C 充電器を使用することにデメリットがないばかりか、メリットがある場合もあります。

ただし

ここまで読むと、「USB-C 充電器はW数が大きい方が良いんだ!」と思ってしまいますが、無闇に大きいものを使用することはあまりおすすめできません。

というのも、USB-C 充電器はW数が大きくなるにつれて、重量が増え、価格も上昇します。そのため、スマートフォンの充電でしか使用しないにも関わらず、100W充電器を購入するというのは、お金の無駄ですし、持ち運び時に無駄なウェイトとなるだけですので、適切なW数を選ぶ必要性があります。

持ち運ぶならプラグが折り畳めるかも重要

また、冒頭で触れた充電器のW数判別機能は、あくまでも USB-C 充電器が USB Power Delivery 規格に準拠している場合の話であり、規格から逸脱した製品を使用すると、普通にデバイスを過電流で壊してしまいます。

そのため、Amazon で販売されているような得体の知れないメーカーの USB-C 充電器はもちろんのこと、大手・有名メーカーの製品であったとしても、きちんとした製品であるかを購入前によくよく見極める必要性があります。

この2点については、別記事でご紹介していますので、よければ合わせてご覧ください。

USB-PD におけるW数の違いと適切なW数の選び方
累計100台以上を見てきた人がオススメする USB-C 充電器メーカーはどこ!?

まとめ

必要以上に大きいW数のUSB-C充電器を使用してもデバイスを壊してしまうことはない。

また、大きすぎるW数の充電器を選んでも意味はなく、適切なW数を選ぶ必要があります。さらに、USB-C充電器を選ぶ際はメーカー指名買いをせず、安全性に細心の注意を払う必要もあります。

これが本記事の内容であると同時に、USB-C 充電器とはどんな物なのかを理解するはじめの1歩となると思います。

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