みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
読者のみなさまは、マウスはお使いでしょうか。ラップトップを使用している方は使っていない方もいたり、iPad でマウスを使っているという方もいらっしゃると思います。そういう筆者もマウス愛好家で、デスクトップとラップトップの両方で使用しています。
そんな筆者が長年使用しているマウスが、Logitech のMX MASTER/Anywhere シリーズです。
今回ご紹介するのは、先日発売されたばかりの MX MASTER シリーズ最新作「MX MASTER 3S for Mac」で、Mac 専用に作られたワイヤレスマウスです。
・開封
パッケージ
内容物は本体、充電用ケーブル(USB-C – C)、取扱説明書類
本体
ボタン部分
サイドボタン部
ホイール部
・旧作と比較
筆者が本製品を購入する前に使用していたのは、MX Master 2S MX2100sGR で、2017年に発売になったモデルです。
しかし、筆者はこの製品を発売日に購入したわけではなく、発売から約2年が経過した2019年に Amazon サイバーマンデーセールで激安になったところを購入しました。
基本的な配置などに変化はない
筐体の形状もやや変わり、より持ちやすくなった印象
先端の尖りがなくなった
旧作との最大の違いは、充電端子にあり、2S では MicroUSB だったものが 3s では USB-C に改められています。
また、基本的なボタン配置に変更はありませんが、サイドボタンに関しては横1列に配置されたいたものが、上下2段に分割され、手前に寄せられました。微妙な変更点ですが、長年 2S に慣れていると位置の違いに困惑することもありましたが、数日で慣れましたので、大きな問題にはならないでしょう。
3S の方がわかりやすい気もする…
メインボタン(左右クリックボタン)は、2S は「カチッ」というマウス独特の音がなる仕様でしたが、3S では「グリッ」という静音マウスに(Logicoolにありがちな?)よくある、音が気にならないタイプへの変更になっています。
さらに、個人的に2s のイマイチポイントだった先端の尖りが省かれ、充電端子の視認性や接続の容易さが改善されているように感じました。
何かとこの突起の弊害があった
また、これは個人的な問題かもしれませんが、筆者はテンキー付きキーボードのテンキーの下付近でマウスを操作するため、2S は頻繁にキーボードにマウスの突起が接触していました。それが原因で、突起の角が若干丸くなったり、塗装が剥げたりしていたので、先端の無意味な突起がなくなったことを非常に喜ばしく思っていたりします。
とはいえ、これらの変更は 2S の後継であり、3S の1世代前である 3 で加えられていた変更であるため、「気になるなら、もう少し早く買い換えれば良いじゃん」といわれればそれまでかもしれません。
・全体的な使用感
旧作と比較すると変更点が多い本製品ですが、普通のマウスとして、もしくはこれから買うという人に向けた使用感はどうでしょうか。
それは、筆者が本製品を買い換えで購入している時点で「答え」が出ていますが、「一度使うと戻れなくなる」製品です。
黒より白の方が Apple 製品との相性は良さげ
ワイヤレスマウスにありがちな接続性の問題や、耐久性の問題。マウスの形状に由来する手へのフィット感や疲れの出にくさ、デザイン性といった部分でも、価格に見合う価値は十分にあり、使えるならば全人類がこのマウスを使うべきともいえるものです。
また、ワイヤレスマウスで必ず起こる「電池切れ」の時に、乾電池をわざわざ準備する必要がありません。本製品の充電は、パソコンにケーブルを接続するだけで充電ができ、いわばスマホの充電的なノリで充電できる点も電池式のワイヤレスマウスより一段と高い機能性といえる部分です。
しかし、本製品の機能を最大限に活用しようとした場合、別途「Logi Option+」というアプリが必須となります。
別途アプリが必要になるという部分が手間に感じたり、このアプリがアップデートなどで不具合を起こすと、マウスが全く期待通りに動作しないという問題に直面するため、絶対的な信頼性は有線には及びません。
実際、スリープ中にマウスを触っていないにも関わらず、スリープが頻繁に解除されたり、サイドボタンに割り振った「アプリケーションを開く」が正常に動作しない、全く関係のないアプリが起動するなど、ソフトウェアに起因するトラブルが現時点では存在します。
また、いくら Mac 専用品を謳っているとはいえ、Apple 純正品ではないことから、macOS の FileVault を使用していると、起動時や復旧時のマウスとして本製品を使用することはできません。
・ところで Mac 専用ってなんぞや?
本製品は製品名からも分かる通り、Mac に最適化されたマウスとなっています。
本製品と全く同じに見える MX MASTER3s と比較しても、スペック表上では何ら違いはありません。一応、メーカーとしては Bluetooth の接続安定性を Mac 向けに最適化したとしていますが、特に最適化などがなかった 2S でも不便を感じたことはないため、実用上で何か変化を感じ取ることは難しいのではないでしょうか。
また、ノーマル 3s と比較すると同社のデバイスを接続するためのレシーバー「Logi Bolt」が同梱されていません。
Logi Bolt
Logi Bolt 自体、USB-A に接続して使用するものであるため、大半の Mac が USB-A を持たない現状を考えれば、同梱しないことに理解はできますが、だからと言って USB-C 版が同梱どころか、存在すらしないという点は「なんか面白いな」と感じます。(太古の昔からAppleはBluetoothを標準装備にしていたという話も関係しそうですが)
そのため、Mac 専用と謳われてはいるものの、その効果は不明確で、わざわざ本製品を選ぶ必要性はないような気がします。
なお、本製品であっても Windows デバイスなどでも使用することができます。
・総評
物自体は確実。但し、Mac 専用と謳う割には特徴がない。
本製品の感想を端的に述べるならば、これがしっくりきます。マウス自体には何の不満もありませんし、従来品と比較しても改善された点が多いながらも、慣れ親しんだ操作感を提供してくれています。
しかし、製品名に for Mac をつける割に、Mac 専用要素が何一つ感じられず、Logi Bolt 省略品を for Mac として売っているだけではないのか?と思ってしまいます。また、若干のソフトウェアの不具合も残っているため、現状ではやや不便を強いられることがあります。
そのため、基本的な機能が同じ MX MASTER3s で十分だったのではないかと思いますし、個人的にはそちらを買えば良いと感じました。
マウスとしては一級品ですので、欲しい方は購入を検討してみてはいかがでしょうか。