みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、ダイソーにて販売されている20W USB-C&A充電器をレビューします。
本製品のシリーズには、USB-C ポートが1つのもの、2つのものもラインアップされており、本誌でもレビューしていますので、興味がある方は合わせてお読み下さい。
Contents
開封
パッケージ
本体
USB-C&A端子
プラグは折り畳み式
サイズは大きい
本製品は、2024年に販売されている USB-C 充電器とは思えないほど大型な筐体です。
2ポート40W充電器との比較
同じ2ポートの USB-C 充電器であれば、本製品の倍の40W出力が可能な製品と同等サイズとなります。
20Wクラスの製品であれば、Apple 5W充電器と遜色ないサイズ感のものもあるため、本製品は現在の市場の流行からは遠い存在といえます。
しかし、小型化やデザイン性を捨てれば、低価格化を追求することができ、本製品の製品趣旨としてはそちらであるため、細かいことをいうのはナンセンスでしょう。
本体の仕様をチェック
USB-C ポートの Power Data Object(PDO)と USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、各ポートの過電流に対する保護機能を確認しました。
確認の結果、メーカーが提供する PDO と実際の PDO が一致していることを確認できました。また、PPS の実装方法にも問題は見られません。
なお、本製品は USB-PD 以外の急速充電規格に対応しており、厳密に言えばこれは規格違反に当たるものですが、近年ではこの仕様が一般的かつ、安全に他の急速充電規格を実装することができるため、安全性の問題はありません。
次に、過電流に対する保護機能の動作状況を確認しました。
過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として充電器には必要不可欠なものです。
確認の結果、過電流保護機能は USB-C ポートは+0.5A程度で動作することが確認でき、保護機能として有用に動作することを確認できました。USB-Aポート については、+1A程度での動作となっていますが、W数では15Wを超えない程度であるため、大きな問題ではありません。
最後に、各種デバイスへの給電状況をチェッカーを使用して確認します。
確認に使用したデバイスは、iPad Air 6、iPhone 15 Pro の2機種で、いずれのデバイスでも高速充電が動作していることを確認できました。
使用感
本製品は、巷にあふれた20W出力の USB-C&A充電器と全く同じ思想を持つものです。
至って普通
直近の新製品でいえば、Anker Charger (20W, 2-Port) と直接的な競合となる製品となり、その他にも沢山の競合製品が存在します。
これらに共通していえるのは、2ポート同時使用を想定した製品ではなく、あくまでも 20W USB-C 充電器と 12W USB-A 充電器が1つにまとめられただけといえる仕様です。
2ポート同時出力を行った場合、最大15W出力となり、USB-C ポートから USB-PD 出力が失われてしまいます。また、USB-A に関しても、1ポート使用時では最大18W(12V/1.5A)の出力が可能となっていますが、同時使用の場合は7.5W(5V/1.5A)まで出力が低下します。
昨今のデバイスの充電は、USB-PD による20W以上の充電が主流であり、USB-A はおろか USB-C からも7.5Wしか出力できない本製品の充電速度は壊滅的なもので、2020年代に実用に耐えうる水準ではありません。
とはいえ、¥770という価格を考えれば他の同等製品よりも良心的であり、この価格であればこの仕様でも文句はいえないかと思います。
総評
とりあえず買っておいても損はない。
本製品はそういえる製品です。というのも、本製品の価格は USB-C 1ポートタイプと同じ価格であり、それならば汎用性を考えて本製品を選ぶ価値があると思います。また、充電器としての基本仕様に問題がなく、価格にしてはよくできていると思います。
ただし、あくまでも1ポートオンリーの使用に限定されると考えた方が良い製品であり、USB-CとAの両方が欲しいという場合はもう少し出力の大きい製品を選ぶべきでしょう。