みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe(@WWDC1999)です。

今回は、cheeroより今春に発売予定の新製品「cheero BB mini」をレビューします。

本製品は、世界初のフレキシブルUSBケーブル付きBluetoothスピーカーで、タイムドメインラボ社の監修により、ゴルフボールほどの小さな筐体からは想像もできないほどクリアで臨場感あふれるサウンドが楽しめるスピーカーとなっているということです。また、付属のフレキシブルケーブルを使用することで、柔らかく包み込まれるようなサウンドが楽しめるとしています。

今回も、cheeroさんより事前にご提供いただきましたので、開封とレビューをしていきます。

・開封!

パッケージ

内容物は本体、フレキシブルケーブル、本体充電用MicroUSBケーブル、ストラップ、取り扱い説明書。

本体(サイズはゴルフボール程です)

本体裏面に充電用MicroUSB端子と電源ボタンが配置されています。

付属のフレキシブルケーブルの片側はUSB-A端子

もう片側はMicroUSB端子となっています。

ケーブルは本体を充電できる他、本体を宙に浮かすためのスタンドにもなります。

・音質について

本製品の「サウンド」は、タイムドメインラボの監修ということで、音質にはこだわった製品になっているものと考えられますが、個人的な感想としては「スマートフォンのスピーカーと何ら大差がない」というのが正直なところです。

もはやスピーカーとしての存在意義自体を完全に否定してしまっていますが、もはや擁護のしようがありません。なにせ本当に酷い。この最悪の結果を招いてしまった最大の原因と考えているのが低音の弱さ。全くと言って良いほど低音が鳴りません。その結果、楽曲のベースなどに入れられている低音が完全に消えてしまうような物も少なくなく、楽曲の印象がガラッと変わってしまう程です。

この低音の弱さに止め刺してしまっているのが、中音〜高音の妙な音質の良さ。
超高音質と言う訳では決してありませんが、低音のクオリティと比較すると妙に完成度が高くなっています。その結果、表現できる音の「質」に極端に差が生じ、一部の音が欠落したように聞こえたり、聴いていて不快感をも感じる音になってしまっているように思います。

・総評

スピーカーを宙に浮かす。と言うアイデア自体は大変面白く、理に適った製品でしたので個人的に相当期待していたスピーカーでしたが、このレベルでは購入を推奨することはできません。

正直、これまで私が手に取った数々のcheero製品の中で最も低クオリティの製品だと言い切れます。先述の通り、低音を中心に一部の音が欠落し楽曲の雰囲気がガラッと変わってしまうこと、表現できる音域の差が激しすぎることがこの評価を付けるに至った経緯です。

cheeroさん曰く、本製品は「新しいオーディオ体験」の提供を目的としたBluetoothスピーカーとのことですが、ユーザーはスピーカーに対し、「新しい体験」よりも「音質」を求めると我々は考えています。スピーカーに音質以外のことを求めるユーザーは極一部で、操作性やデザインが悪くても「音質」がよければ、ユーザーは注目します。スピーカーの基本となる「音質」ができていないのにも関わらず、「新しい体験」を提供するというのはいくら何でも無茶が過ぎると思っています。

また、楽曲制作側からすれば命を削る想いで製作した楽曲を、質の悪いスピーカーで聴かれ、「イマイチ好きじゃない」と感じられるのは最も避けたい事態です。勿論、低価格帯の製品で楽曲再生をするということ自体、間違いといえばそうですが、「安価」だということは「気軽に手に取り易く普及し易い製品」ということになります。

実際、普及を狙った価格設定となっている「Anker SoundCore nano」や、本サイトでもレビューしたMIFA A1と比較すると、価格も倍近くする上、音質も偏り過ぎている印象を持ちました。なぜ、ここまで一方に偏った音作りがされたのかはわかりませんが、1つの音域が綺麗に出ても、全体の仕上がりが悪ければ意味がありません。全体的な音の仕上がりでいうと、Amazon Echo dotの方が良い音だと思います。

今後、何かしらの改善が加えられるかなどは不明ですが、先日のワイヤレスイヤホンの完成度が良かっただけに、残念な結果としか言いようがありません。

 

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最終更新日:2019年11月13日

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