みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、毎年恒例の Appleの初売り がどの程度お得だったのかを振り返っておこうと思います。

この記事はあくまでも2023年の振り返り記事であり、過去・未来のキャンペーン内容に是非を唱えるものではありません。そのため、キャンペーン利用の参考にされる場合は、あくまでも「そんな話もあるのね」程度にお考え下さい。

・そもそも Appleの初売りとは

Appleの初売りとは、毎年1月2・3日に実施される Apple 公式のセールです。

このイベントは、2016年より従来までの「Lucky Bag」に代わるものとして登場しました。年により若干の誤差はあるものの、対象製品の購入に¥4,000〜¥32,000分の Apple ギフト券が付けられるというものです。

Apple が公式に製品の割引を行うことは珍しく、一般消費者が Apple 製品を Apple 公式から割引価格で購入できるのは、この機会しかありません。

・2023年の対象製品とギフト券付与額

2023年の Appleの初売り では、以下の製品にギフト券の付与が行われました。

¥4,000 分

  • AirPods (第2世代)
  • Lightning充電ケース付きAirPods (第3世代)
  • MagSafeデュアル充電パッド
  • Apple Pencil (第2世代)
  • Smart Keyboard Folio
  • Beats Flex

¥8,000 分

  • iPhone 13
  • iPhone 13 mini
  • iPhone 12
  • iPhone SE (第3世代)
  • AirPods Pro (第2世代)
  • Apple Watch SE
  • iPad Air
  • iPad (第9世代)
  • iPad mini
  • iPad Pro・iPad Air用Magic Keyboard
  • Beats Studio3 Wireless
  • Beats Solo3 Wireless
  • Beats Powerbeats Pro
  • Beats Fit Pro
  • Beats Studio Buds

¥12,000 分

  • AirPods Max

¥16,000 分

  • MacBook Air M2/M1
  • Mac mini

¥24,000 分

  • MacBook Pro 13インチ
  • iMac 24インチ

¥32,000 分

  • MacBook Pro 14/16インチ

2023年の対象製品で比較的新しいデバイスといえるのは、M2 チップを採用した MacBook Air と MacBook Pro 13 のみで、その他の製品は発売から数年が経過したものや、型落ちモデルとなっています。

・2023年はかなりのハズレ年か

2023年の初売りの対象製品を見ていると、「今年は例年以上にハズレ年ではないか?」と感じました。

その理由は、1月17日に発表された MacBook Pro 14/16 および Mac mini(2023)の存在であり、初売りからわずか2週間ほどで新型が登場しました。

前回の初売りに当たる2022年には、MacBook Pro 14/16 は対象にすらならなかったことを考えると、対象になっただけマシとはいえそうですが、いくらギフト券をもらえるとはいえ、数週間で旧型になるプロ向け製品を欲しいと考える人はあまりいないのではないでしょうか。

もちろん、人により価値観は様々であるため、「価格が全て」というならば、良かったのかもしれません。

また、Appleの初売り で新型モデルが対象になったことは、これまで一度たりともないため、「そんなもんさ」といえばそれまでですし、そもそも筆者もこのキャンペーンを使おうと思ったことがないため、頻繁に利用する人とは考えが違うかもしれません。

・どのような人が使えば良いのか

Apple の初売り は、どのような人が使うと良いのか?を考えてみましたが、筆者は結論が出せませんでした。

というのも、同じく利用を推奨していない「新学期を始めよう」では、新入学に合わせデバイスを購入しなければならない必要性に迫られた人が一定数います。そのような人に、いつ出るか不明確な新型を待てというのは無理な話ですし、デバイスがない不都合の方が大きいため、ある程度は致し方がない部分もあります。

しかし、初売りに限っていえば「純然たる在庫処分市」としか思えず、数年間使用するデバイスを購入する場としては、あまりにも不向きなように思います。

そろそろ新型の噂がある iMac

特に、iPhone 12 や Mac mini、iMac などは2020年の発売で、年明け早々とはいえ3年も前のモデルを大幅なディスカウントを提示されたからといって、買って良いのかには疑問を持たざるを得ません。

というのも、iOS 5年、Mac 7年といわれる OS のサポート期間を考えると、発売後3年となると、iOS は残り2年、Mac は3年しか最新の OS を使用できる期間がありません。サポート期間の終了後も、安全性を無視すれば使用を継続することはできますが、推奨されたものではありません。

また、古いデバイスは新機能の恩恵を被ることができず、機能的な制約を受け、一部のシーンではまともに使用することすらできないという場合もあります。

このことを考えると、安いからといって製品を購入したとしても、一時的な金銭負担が軽減されるだけで、結果的に買い替え頻度は増加し、10年スパンなどで考えると1〜2回の買い替え頻度の増加となり得ます。

近年は、コストパフォーマンスが非常に重要視される傾向が強まっていますが、真にこれを追求するならば、最新モデルを長く使った方が結果的には良いでしょう。

・Apple だけは美味しい話はない

筆者は10数年に渡り、Apple の製品展開や価格設定について見てきましたが、同社は「特定の誰かだけが美味しい思いをすることは絶対に許容しない」というスタンスの企業です。

これは、ここ数年でいえば異次元の円安による価格調整や、Apple Watch とバンドの組み合わせによる価格差などにもみて取れますが、かなり綿密に販売価格の調整が行われており、Apple 製品の購入で美味しい思いをしようというのは一般的には無理な話です。

もちろん、これが Apple を世界一の企業に押し上げた所以であり、株主からも絶大な信頼を得ている理由ですので、これが悪いとは全く思いません。

・結局は購入者次第

この類の記事を書く際に、筆者は押し付けがましいことをいうのは極力避けています。

ですので、Appleの初売り についても筆者としては利用は推奨しないものの、あくまでも「推奨しない」という話で、使いたいのであれば使えばよいと思います。

とはいえ、この記事を来年の同じ時期に筆者に読ませても同じ結論をいうでしょうし、昨年の筆者に見せればもっと過激なことをいうかもしれません。いってしまえば、その程度のキャンペーンであり、騒ぎ立てるほどのものではないでしょう。

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