みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

この記事では、USB-C ポートを2つ有する USB-PD 充電器において最もポピュラーな45Wと65Wの選び方、どちらが良いのかをご紹介します。

なお、あくまでも本記事の内容は筆者の個人的な見解であり、あくまでも参考程度にしていただければと思います。

スマホのみか否か

1つの充電器に2つ以上の USB-C ポートがある、マルチポート充電器の購入を検討している場合、基本的には複数のデバイスを充電したいという思惑があるでしょう。

65W充電器の例

製品選びを始める前に、まずはどのデバイスを充電するために充電器を購入するのかを整理することをオススメします。スマートフォンを2台同時充電したいのか、スマートフォンとタブレットなのか、スマートフォンとノートパソコンなのかなど、パターンは多種多様です。

基本的に、45W製品は2ポート同時使用時に20W/25W、65Wは45W/20Wという出力配分がなされます。

そのため、充電に30W以上が求められるノートパソコンでも使用したいという場合は、65W一択になり、45Wはスマートフォンやタブレットの同時充電向けとなります。

USB-A をどう考えるか

マルチポート USB-C 充電器の一部には、以下のような USB-A ポートを有する製品も存在します。

一見すると、USB-C と USB-A の両方があり、互換性が高く、利便性にも優れそうなイメージを持ちますが、これは大きな落とし穴です。

本稿執筆時点で市場流通している大半の製品は、3ポート同時使用や USB-A ポートを使用してしまうと、USB-C からの出力が低下し、物によっては USB-PD 出力ができなくなってしまう製品もあります。

USB-C 充電器において、その根幹となる USB-PD 出力が奪われるということは、充電速度の大幅な低下を意味し、せっかくの充電器を台無しにすることが多いため、45W/65W程度の出力の充電器に USB-A を求めるのは間違いです。

また、USB-PD の規格上、上記のような USB-A を使用すると USB-C の出力が低下する(その逆も然り)という製品は、もれなく規格違反となりますので、製品の安全性の観点からもオススメできるものではありません。

さらに、USB-A ポートが必要なのであれば、USB-A 充電器を別途購入する方が安価かつ高性能な製品を手にできてしまいます。

45Wがオススメ

マルチポート USB-C 充電器の二大巨頭である、45Wと65W充電器ですが、筆者は45Wをオススメしています。

iPad で Final Cut が使える時代ですし…

その理由は、「ノートパソコンを持っている人があんまりいない」という世間情勢を鑑みてのことです。近年、ビジネスシーンでも自分のデスクではノートパソコンを使っているけれど、出先では iPad を使っているというパターンをよく見かけます。

先述の通り、スマートフォンとタブレットであれば、45Wでも十分な速度での2台同時充電が可能であり、ノートパソコンを持たない人にとって、65W充電器は過剰な出力です。

さらに、近年の充電の高速化により、ノートパソコンを充電するにしても65Wでは心許ないケースが多く、2ポート同時に使用した場合では最高でも45Wでしか充電ができないなど、筆者も色々と試しましたが、65Wのマルチポート USB-C 充電器は想像よりも利便性に乏しい印象です。

そのため、スマホとタブレットの人は45W1台、ノートパソコンがある人は45Wとノートパソコン用の充電器を各1台という方が使い勝手が良いでしょう。

100W越えの充電器をどう考えるか

2023年に入り、USB-C ポートを3つ持ち、USB-A ポートも装備しているという製品が急激に増加した印象です。

いずれの製品も1万円〜1.5万円の価格帯で推移しており、充電器1つの価格としては高価に見えるものの、複数台の充電器を買い揃え、持ち歩くことと引き換えであれば、出せない金額ではないと感じる方も一定数いらっしゃると思います。

しかし、これについても筆者はあまりオススメできる水準に達しているとは考えていません

いずれの製品でも、発熱の問題出力配分が中途半端など、どこかしらに使い勝手が悪い部分が存在し、頻繁に USB-C 充電器を買い換える人が買う分には問題はないと思うものの、一度買ったら壊れるまで使い続けるという一般的な使用用途では、まだまだ不熟な製品が多いように感じます。

とりあえずは45Wを

最後に話がやや脱線しましたが、当面の間は45W充電器で良いのではないかと筆者は考えています。

本稿執筆時点の状況では、余程の理由がない限り45Wで困るという人はいないでしょうし、65W充電器が「現状への完璧な対応能力」と「将来への余力」を備えているとはいえません。

さらに、直近1年内にリリースされたスマホやタブレットで主流となっている25〜30W充電に関しても、20W充電とそこまでの速度差がなく、次に手にするスマホが20W以上の充電に対応していたとしても、20W充電器を持っているのであれば、買い換える合理性には欠けます。

そのため、当面の間は45W充電器の立場が揺らぐことはなく、充電器としては長期間に渡り使用できるのではないかと思います。

最終更新日:2023年12月28日

Error(Copyrighted Image)