みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、2024年5月15日に発売となった、iPad Air 11インチ(M2)を購入して気になった点をご紹介します。

購入の経緯

そもそも、筆者は iPad を多用するようなタイプの人間ではないため、ここ数年は無印の iPad を買い続けていました。

最も安価な iPad でも、Apple Pencil に対応し、一定のスペックが担保されているため、メモ書きや動画視聴、Sidecar で使用する程度では、特に不満を感じたことはありません。

しかし、近頃になり iPad 9 の動作に不満を感じるようになりました。特に、メモ書きアプリとして使用する Noteshelf 3 が稀にクラッシュするようになったことに不満を感じていました。(この問題は iPad 10 を使用した場合、発生しないため、iPad 9 の性能不足が原因と考えられる)

そのため、可及的速やかに iPad 9 の置き換えを実施する必要があり、無印の iPad の新型を待てないという事情から、iPad Air 6 が選定されました。

良くも悪くも変わらない

本誌では、iPad 10 の発売時にレビューをお届けしていますが、そもそも iPad 10 が Air の筐体を流用して開発されたモデルである以上、デバイスの使用感はそれと同等となります。

色違いにしか見えない(あと、スターライトがほぼシルバーな件)

事実、以前言及した感想と全く同じことを改めて感じ、いい加減 Touch ID を廃止して Face ID に移行して欲しいと改めて感じました。

M2 が必要なのか?

iPad Air 6 の最大の変更点として、M2 チップの採用が挙げられます。

しかし、先述の通り、定期的に買い換えさえすれば筆者は無印の iPad で十分な人間であり、M2 採用の恩恵をあまり受けていません。

強いていうならば、ステージマネージャー(Stage Manager)が使用できるようになった程度で、別に無ければ無いで困らないため、現時点では処理速度の向上以外の恩恵は受けていません。

これは、同じ M2(というか Apple Silicon)の採用で、大きな恩恵を受けた MacBook Air とは対照的な状態です。

とはいえ、ラップトップに採用されるチップを採用しているため、卓越したパフォーマンスと可用性を誇っていることは事実であり、今後数年間に渡り、一線級で活躍できるポテンシャルを有していると思います。

ただし、いくら省電力性能が高い Apple Silicon とはいえ、無印の iPad に搭載されている Aシリーズチップよりも消費電力は高くなるため、バッテリーの持ちはやや悪いように感じ、これについては M2 採用のデメリットといえそうです。

Apple Pencil Pro はよい

iPad Air 6 の購入と同時に Apple Pencil Pro も購入しました。

主に、スクイーズと触覚フィードバックが新たな機能となりますが、こちらについては、従来の Apple Pencil よりも操作性が向上し、かなり使い勝手が良くなったように感じました。

特に、Pencil を軽く握るだけでパレットが出てくる機能はとても便利で、順当に進化を遂げているように感じました。ただし、現時点では対応アプリが少ないため、各アプリの今後のアップデートに期待がかかります。

現時点で、Apple Pencil Pro が使用できるのは iPad Pro(M4)および iPad Air(M2)のみとなっていますが、個人的には「このためだけに iPad を買い換えても良いのでは?」とすら感じる出来となっています。

必要な人が買うには良い機種

近年の円安により、Apple 製品の価格上昇は続いており、今回の iPad シリーズの発売でも USD の価格は従来から据え置かれたものの、国内販売価格は上昇しました。

そのため、「物欲が刺激されたから買ってみた」とはいえない価格になっていることは否めず、購入に当たっては何らかの理由が必要となるでしょう。

筆者のように、既存の iPad に性能不足を感じたり、不満こそ感じてはいないものの、発売後3年以上が経過しているモデルを使用している人が、本製品を選ぶ価値は十分にあると思います。しかし、裏返せば、それだけの理由がなければ買い換えの決定打に欠けるマイナーアップデートであるといえます。

とはいえ、iPad Air としては最高性能を誇り、多くの人が不便なく使用できる水準を大きく超えており、物としては購入を躊躇する必要はないと思います。