みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、Belkin より販売が開始された Cubic Charger 45W をレビューします。本製品は、最大45Wの出力が可能なシングルポートの USB-C 充電器となります。
開封
パッケージ
内容物は本体と説明書
本体
USB-C ポート
プラグは折り畳み式
同時発売の30W(左)とのサイズ比較
旧型の同社製30W製品(右)と比較
※同時発売の30W版については、充電機能に不具合があることを確認し、本誌の記事化水準に未達であったため執筆を打ち切りました。
iPhone & iPad 向け高性能充電器?
本製品の売り文句として、「45W iPhone & iPad 向け高性能充電器」 というものが全面的に押し出されています。
筆者はこの文言を見て、「はて?」という疑問を持たずにはいられませんでした。というのも、2024年に発売となった iPhone 16 シリーズにおいても、最大充電W数は30Wに据え置かれており、45W充電に対応した iPhone は存在しません。
一部報道では、iPhone 16 Pro Max が45W充電に対応しているとの情報もありましたが、後に訂正されており、実機を用いたテストでも従来通りのW数であることが確認されています。
そのため iPhone においては、同時発売の30W版で十分ですし、現時点では「高性能」というよりは「過剰」な気がしてなりません。
勿論、筆者のように(将来性を含め)過剰性能が大好物の方や、iPad Pro で使用するには良い製品であり、そういった観点では「高性能」といえるでしょう。
本体の仕様をチェック
USB-C ポートの Power Data Object(PDO)と USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、各ポートの過電流に対する保護機能を確認しました。
確認の結果、メーカーが提供する PDO と実際の PDO が一部一致していませんでした。一致しなかったのは、PPS の5-16V/3A 表記で、製品本体には5-16V/2.8Aで表記されています。
PPS については、アナライザーに通知された結果である限り、実装方法としての問題はなく、単に通知内容と本体表記に不一致があるというだけですので、大きな問題ではありません。
なお、本製品は USB-PD 以外の急速充電規格に対応しており、これは厳密にいえば規格違反に当たるものですが、この仕様は極めて一般的かつ、他の急速充電規格を安全に実装することができるため、こちらも問題視すべき仕様ではありません。
次に、過電流に対する保護機能の動作状況を確認しました。
過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として充電器には必要不可欠なものです。
確認の結果、過電流保護機能は+0.3〜0.5A程度で動作することが確認でき、有効な保護機能を有することを確認できました。
最後に、各種デバイスへの給電状況をチェッカーを使用して確認します。
確認に使用したデバイスは、MacBook Air with M2、iPad Air 6、iPhone 16 Pro の3機種で、iPad と iPhone で高速充電が動作していることを確認できました。
MacBook Air に関しては、標準仕様で同梱されている充電器が30Wであるため、本製品を使用することで同梱品よりも充電速度が向上しますが、Apple が謳う高速充電には70W以上の充電器が必要となります。
なお、iPhone 16 Pro より iPhone も15V充電に対応し、旧型デバイスも手元にないため、9V充電での動作確認は行えていません。
使用感
本製品は特筆すべきポイントがない、至って普通の USB-C 充電器といった印象です。
サイコロみたい
しかし、一般的に充電器に求められるものは、安定した充電性能などの「無難さ」です。そういう意味では、本製品の特徴のない「普通の充電器」というのは、無難さの裏返しであり、悪くいう必要はないでしょう。
重量に関しても、実測58gと近年では標準的な重量で、プラグも折り畳み式であり、コンパクトさも相まって持ち運びにも適しています。
総評
45W USB-C 充電器の新定番。
本製品は、そういって差し支えない製品だと思います。充電器の基本的な性能や安全性に大きな問題は見られず、シンプルなデザインで全ての人にオススメできる仕上がりとなっています。
主に iPad Pro 向けの充電器となりますが、同製品の充電器をお探しの方は本製品を選んでみてはいかがでしょうか。