昨年のWWDC2017で発表され、ようやくアメリカ、イギリス、オーストラリアで販売が始まったHomePod。

各国ユーザーの手に届きはじめたこと、Appleがユーザー向けの情報を公開しだしたことで、これまで全容がベールに包まれていた「HomePod」の姿が見えてきました。

 

・HomePodのペアリングはAirPodのように簡単

HomePodはApple初のスマートスピーカー 。この分野では先をゆくAmazonのEchoシリーズやGoogleのGoogle Homeシリーズ同様、初期設定にはスマートフォンが必要です。AppleはAirPodのペアリング方法として、「iPhoneと本体を近づける」という方法を提供していますが、HomePodでもそのペアリング方法が継承されています。

HomePodを箱から取り出し、電源を入れ、iPhoneをHomePodに近づけると、iPhoneに「HomePod」というバナーが登場。バナーに表示されている「Set Up」(セットアップ) をタップして初期設定を開始します。すると、「Where is the HomePod?」(どこでHomePodを使いますか?)と尋ねられ、BedroomやOfficeなど設置する部屋の名前を選択する画面が登場します。

次に「Personal Request」(情報へのアクセス)を許可し、「Account Setting」(アカウントの設定)など他のApple製品でもお馴染みの設定を設定。これが終われば、画面と音声の指示に従い「Hey Siri」を設定してセットアップは終了。以降、「Hey Siri」でHomePodを操作できるようになります。

・HomePodの最高修理価格は279ドル AppleCare+は39ドル

HomePodは電源ケーブルが本体から分離しない構造になっていることが明らかになっています。
そのため、ベットサイドやダイニングテーブルの上に設置した場合、ケーブルに足を引っ掛け本体が落下、大破…。というアクシデントも容易に想像できます。

そうなった場合、HomePodにはパーツ別の修理(iPhoneでいう画面のみの修理など)が設定されておらず、全損扱い、すなわち本体の交換となります。そうなった場合の交換費用は279ドル(約3万円)。新品が349ドル(約3.8万円)であることを考えると、全損は避けたいところ。

もちろん、落下させなくとも自然故障などのリスクがないわけではありません。
そんな時の強い味方が製品保証を最大2年間延長する「AppleCare+」。こちらは39ドル(約4,200円)でHomePod購入時に加入でき、万が一の故障の際は保証期間内であれば無償でHomePodを交換することができます。ここで注意して欲しいのが、AppleCare+には落下保証が含まれていないということ。万が一、落下させて故障させてしまった場合は保証期間中でも有償での交換となります。

 

・HomePodを動かすOSは未だbeta版

Appleは「製品の完成度が出荷できるレベルにない」としてHomePodの発売を延期していました。
この延期でどれだけ製品の完成度が向上したかはわかりませんが、気になるのはHomePodを動かすOSが未だbeta版であるということ。

しかも、デベロッパーや登録者に向けたプログラムとしてbeta版が提供されているわけではなく、全てのユーザーの元に届くHomePodに初期状態でbeta版のOSがインストールされているようです。

HomePodのOSは、iPhoneやiPadに搭載されている「iOS」をHomePod向けにカスタマイズしたOSが導入されていることは既にわかっていましたが、そのOSがbeta版であることまではわかっていませんでした。デベロッパーがHomePodのOSを解析したところ、iOS 11.2.5 15D59ビルドで動作していることがわかっています。

このことから、未だHomePodは完成の域には達しておらず、iPhone X以上に有料テスター募集の要素が強いことが予想されます。実際、先行レビューを行なった各メディアも音質には高い評価を送っている反面、スマートスピーカーの要となるアシスタント機能は不十分だと指摘していました。

 

・とはいえ初期のiPhoneもこんな感じだった

iPhoneは3GSの世代から持っていた筆者。
HomePodをみて、なにやら懐かしい香りがして来るのを感じています。

おそらくそれを一番感じさせるのは、初期発売国が限定されているという点。日本では発売すらなかった初代iPhoneもアメリカ、イギリスと販路を広げ、日本に上陸したのは2世代目のiPhone 3Gから。しかも、当時はApp Storeが存在せず、アプリは純正のもののみ、しかもコピー&ペーストなども出来ず、携帯電話としてもかなり怪しい仕上がりでした。

それが年々進化し、この10年でコンピュータの存在を脅かすまでに成長しました。

今のHomePodは、10年前のiPhone。そう考えると、今は不十分でも立派に使える日が来ると信じるのも悪くなさそうです。もちろん、継続的にブラッシュアップが行われたとしての話ですが。それに、AmazonのAlexaやGoogleのGoogleアシスタントの知能は6歳児程度。という研究結果も出ています。

スマートスピーカーに話しかけるときは、「6歳の子に話しかけてるんだ」という気持ちで話かけてあげるのが、各社から出ているスマートスピーカーと仲良くなれる方法かもしれません。

 

なお、今春にはフランスとドイツでも販売が始まることが決定していますが、日本での販売は未定となっています。

 

HomePod- Apple

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