みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、Anker USB-C & USB 3.0 変換アダプタ をクイックレビューします。本製品は、USB-C を USB-A(メス)に変換するアダプタです。

・開封

パッケージ

本体

USB-C 端子

USB-A 端子

本体に通電ランプがある

・仕様をチェック

本製品は USB-C to USB-A(メス)変換アダプタですので、5.1kΩ でプルダウンされている必要があります。

ケーブルチェッカーで確認

確認の結果、規格に沿う仕様となっていることが確認できました。

・転送速度を確認

本製品は、最大5Gbps(理論値)での通信が可能だとされています。

Mac mini 2018 の Thunderbolt 3 ポートに USB-A 3.0 に対応した USB メモリで速度を計測したところ、書き込みが6Mbps、読み込みが14Mbps程度となりました。

最大5Gbpsというのは理論値であり、常にこの速度が保証されているわけではありません。

・ところで…

近年、このアダプタを充電器に挿している姿を頻繁に見かけるようになりました。

どういったメリットがあるのか

本製品の主たる使用用途はデータ転送であり、充電用に使用するというのは何のメリットもない使用方法です。特に、本製品を使用して「Apple 高速充電が使用できる!」という珍説を力説する人もおり、「一体どうなっているのか?」と思い、検証のため本製品を購入しました。

5V/0.9A(4.9W)Apple 1A / iPhone SE 2nd

検証を行ってみたところ、やはりというか案の定、Apple 高速充電(18W/20W)は作動しておらず、その1つ下の Apple 2.4A(12W)充電すら作動していないことがわかりました。今回計測できた電流量は、1A(5W)充電器と全く同じものであり、デバイスの充電にとんでもない時間を要する最悪な充電方式です。

巷では、USB-C 充電器に USB-C to USB-A 変換アダプタ(本製品)を咬ませると、USB-A – Lightning ケーブルで Apple 高速充電ができることとなっていますが、現実ではできませんので、この目的で購入を検討している人は諦めて下さい。

なお、Apple 高速充電の使用条件は USB-C 充電器および USB-C – Lightning ケーブルが必要となっていますので、これを満たさない上記のような使い方がそもそも成り立たないのは当然です。

・総評

可もなく不可もなく。本製品はそんな製品だと思います。

変換アダプタとしての作りは仕様にも準拠しており、アルミニウム筐体で耐久性も良好だと感じました。しかし、逆にそれ以上のこともなく「特徴がない」と言われても致し方がないレベルで普通の製品です。

また、このタイプのアダプタ自体の使用用途が限定的で、既に USB-C or Thunderbolt 3/4 への移行が済んでいると必要性は全く感じないものだと思います。Apple 高速充電の件といい、正直よくわからない世界線の商品であり、2022年にもなって必要性に駆られる方はかなり少ないのではないでしょうか。

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