みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、タイトル通り飛行機に持ち込めるモバイルバッテリーの基準をご紹介します。
非常にわかりやすい基準があるため、複雑な話は全てすっ飛ばしてそちらをご紹介します。

・27,000mAh(100Wh)以下であれば持ち込みOK

結論、「27,000mAh(100Wh)以下であれば大抵の航空会社で機内持ち込みOK」です。

これは、国際民間航空機関(ICAO)の規定で策定されている国際基準で、例外は一切認められていません。また、この世に存在する航空会社のほぼ全てが ICAO に加入しているため、例外が存在しないともいえます。

なお、ICAO はモバイルバッテリー(リチウムイオン電池)の輸送に関して、預け入れ荷物での輸送厳禁指示しているため、全ての航空会社で機内持ち込み以外の選択肢は用意されていません

ただし、機内持ち込みについても航空会社により若干の対応差がありますので、詳細は搭乗前に各航空会社に確認して下さい。

なお、本誌では世界120社以上の取扱情報をまとめた記事も用意しています。あわせてそちらもご覧下さい。

・容量30%以下なら預け入れOKは間違い

先述の通り、ICAO が預け入れ貨物での航空輸送を禁止していますので、どんな形であれ一般乗客はモバイルバッテリーを手荷物で機内に持ち込むことになります。

しかしながら、Web上を見ていると「容量30%以下なら預け入れ可能」などの誤った情報が存在しています。もちろん、これらの情報は誤りであり…と言いたいところですが、実際は正解とも言えます。

但し、この条件が適応されるのは「航空貨物として」モバイルバッテリーを輸送する場合で、輸送に先立ち輸送申請を行う必要があります。既にお気づきかもしれませんが、これは航空貨物を利用する事業者に適用されるものであり、一般乗客には適用されません

・100Wh 以上 160Wh 以下の待遇について

先ほど、27,000mAh以下であれば大抵の航空会社で機内持ち込みOKと書きましたが、実はこれ以上の容量のモバイルバッテリーを機内持ち込みすることもできます。但し、こちらは航空会社により、より厳しい制限が設けられています。

このことから、「便宜上27,000mAh以下なら問題ない」と本誌ではさせていただきました。
また、余程の好き者でない限り、27,000mAhを超えるモバブを持っていないという部分も考慮しています。

ICAO の輸送規定上、一般乗客が航空輸送できるモバイルバッテリーの最大容量は43,243mAh(160Wh)となります。しかしながら、多くの航空会社が持ち込み個数に制限(大抵が2個まで)をかけており、できれば持ち込んで欲しくないという思惑を伺い知ることができます。

また、EU圏からの出国では、充電残量が0%、故障しているなどの理由で動作が確認できないモバイルバッテリーは、テロ等防止の観点から携行することを許可されない場合があります。

余計なトラブルを防止するためにも、極端に大きな容量の製品や充電残量がないモバイルバッテリーを持ち込まないようにしましょう。

・所有するモバブが持ち込み対応かを調べる方法

ご自身がお使いのモバイルバッテリーを機内に持ち込めるかを判断するには、モバイルバッテリーの取扱説明書や本体下部に記載されている「Wh」が100を下回っているかを確認します。

この表記は、電安法などの関連法案により記載が義務付けられていますので、日本国内で購入した製品であれば製品のいずれかの場所に必ず記載されています。

(クリックで拡大)

多くの製品で、mAhという表示と共に記載されていることがほとんどではありますが、記載がないものについては、以下の計算式を用いてWhを算出することができます。

Wh = 3.7 × mAh ÷ 1000

例:3.7 × 10,000mAh ÷ 1000= 37
この場合、約37Whとなる

・持ち込む前に必ず各航空会社で情報の確認を!

各国の航空自由化と路線の合理化で、アライアンス形成とコードシェアが当たり前となった昨今。アライアンスに加入する航空会社は、オペレーションの円滑化を目的として一定条件で輸送規約を統一しているため、取り扱いを航空会社毎に確認する必要も薄くなってきていますが、一つでも疑問点がある場合は、利用する航空会社に事前に問い合わせた方が、ことがスムーズに進みます。

また、近年増加しているスーツケースにバッテリーが内蔵された「スマートスーツケース」の取り扱いについては、モバイルバッテリーなどと取り扱いが異なる場合がありますので、利用を検討される場合は事前の確認を怠らないようにして下さい。

最終更新日:2023年10月12日