みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、Innergie 60C Pro (Intl) USB-C電源アダプタをレビューします。本製品は、最大60Wの USB-PD 出力が可能な USB-C 充電器です。

・開封

ギフトラッピングが無料だったので…

バレンタイン用の「with Love」のシーリングワックス付き(日本では珍しいシールじゃない本物)

パッケージ

パッケージ 2(リバーシブルって珍しい)

内容物は、本体、変換アダプタ3種、USB-C ケーブル、取扱説明書

本体

USB-C ポート

水筒の蓋みたいなキャップを外すと…

プラグ取り付け部分が露出

付属のケーブルには USB-C ケーブルには珍しいフェライトコア入り(ノイズ対策?)

・3種のプラグ入り

本製品には、Aタイプ(日本)、Cタイプ、BFタイプの3種類が同梱されています。

これさえあれば、大体困らないセット

これらのプラグを充電器本体の凹凸に合わせて、ひねるだけで取り付けが完了します。

プラグ部分

奥まで刺さる部分にセットして…

くるっと回せば装着完了

一度装着してしまえば、コンセントに抜き差ししてもプラグだけがコンセントに残ってしまうというようなことや、グラつくなど、使用上問題になるような部分は見受けられず、プラグ交換式ながら普通のACアダプタ類と同等の耐久性は確保されていると感じました。

ただ、日本人の主要渡航先上位である、オーストラリアやニュージランドなどで採用されている「I タイプ(Oタイプ)」については、本製品には同梱されていませんし、単体での販売もないようです。I タイプの採用国が少ないとはいえ、これだけは市販の変換プラグが必要となるため、どこか中途半端に感じます。

単刀直入にいえば、「3つ用意するのであれば、I タイプも同梱しておいてよ」っといったところでしょうか。(Apple ワールドトラベルキットに毒され過ぎという話もある)

・本体の仕様をチェック

ここでは、USB-C ポートの Power Data Object(PDO)と USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、過電流に対する保護機能の3点を確認しました。

PDO は表記よりも大きい値の場合、デバイスを過電流により破損させる恐れがあり、小さい場合は景品表示法上の問題が生じます。また、USB- PD 規格では USB-PD 以外の急速充電への対応を禁止しています。過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として実装されています。

問題のある製品の場合、主にこのいずれかのポイントで問題点が露見するため、本誌ではこの3つの検証結果を主に使用しています。

確認の結果、両ポートともメーカーが提供する PDO と実際の PDO が一致しており、問題点は見当たりませんでした。しかし、製品説明には PD 3.0 と記載されているにも関わらず、実際には PD 2.0 となっていますので、この点に関しては景品表示法が定める優良誤認に当たる可能性があります。

なお、付属の USB-C ケーブルは、規格に沿った設計がなされています。

最後に、過電流に対する保護機能の動作状況を確認しました。

確認の結果、大きな問題は認められず保護機能は正常に動作するといえる状態であることを確認できました。

・20W充電が機能しない?

<お知らせ>

本稿執筆時点において実施したテストにおいて、20Wの高速充電が機能しないとご紹介しました(以下を参照)が、再度テストを行ったところ動作することを確認できました。iPadOS に何らかの変更が加えられたのか、テスト時にたまたま正常に動作しなかったのかは不明ですが、この項目は無視していただければと思います。

本製品をテストしている時に、Apple の高速充電(20W)が機能しないという、致命的な欠点を発見しました。

iPad 9 接続時、5.3V/2.5A(13.6W)/Apple 2.4A

iPhone SE(第2世代)接続時、9V/1.1A(9.4W)/高速充電(18W)

60W入力のモバブ接続時、19.4V/2.8A(54W)/USB-PD

同じ Apple の高速充電でも1世代目の18W充電には対応しているものの、第2世代目の20W充電は何度検証を行ってもできませんでした。筆者は、 MacBook Air や iPad などの Apple 製品での使用を前提として本製品を購入しているため、最新の20W充電に対応しないのはお話にならないレベルで使い物になりません

なお、この原因ですが Apple 20W 高速充電の動作基準に満たないためと推測され、本製品の仕様が古いことに起因する問題となります。

これは、2020年の iPhone 12 シリーズ発売直後に言われた「既存の充電器全滅問題」であり、それから2年も経つ2022年にこの現象を目撃するとは思いもしませんでした。

・ところで Innergie ってなんぞや?

Innergie(イナジー)と聞いて、「あぁ、あの Innergie ね」となる方は、まぁ、いないと思います。

Innergie は、デルタ電子(台湾)のコンシューマー向けブランドで、主に USB-C 充電器の販売を行なっています。と言っても、「デルタ電子?何してる会社?」という方が大半だと思いますが、実は Apple ユーザーの大半はデルタ電子の製品にお世話になっています。

同社は、Apple や Tesla に電源部品を供給する主要サプライヤーの1社で、充電器や MacBook Air の内蔵ファンの製造元であったりします。

筆者の MacBook Pro 2009 の MagSafe 電源アダプタは同社製だった

Apple の電源アダプタのサプライヤーは複数社に渡るため、奇跡的にデルタ電子製に当たっていない。という人はいるかもしれませんが、長年の Apple ユーザーは1度はお世話になっているハズのメーカーです。

・総評

オススメはしない。

本製品をひとことで言うならば、これが最もしっくりきています。

本製品の販売ページには「PD 3.0」の記載があるにも関わらず、「2.0」である時点で景品表示法が定める優良誤認に該当する可能性が極めて高いものです。

もちろん、上記の問題を除いた USB-PD 充電器単体としては、規格にできるだけ沿うように設計されており、デバイスを破損させたりといった安全性の面での問題点は見受けられませんでしたので、この仕様でも良いのであれば購入するのは全然アリだと思います。

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