みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回はエレコムより販売されている45W USB-C 充電器「EC-AC13WH」をレビューします。
Contents
・開封
パッケージ
内容物は本体とメッセージカード(説明書はなし)
本体
プラグは折り畳める
・とても小さい
本製品をはじめて手に取った時、本体サイズの小ささに驚かされました。
Apple、Belkin、本製品
30W充電器よりもひと回り小さい
本誌で何かと比較対象として登場することの多い Belkin BOOST↑CHARGE 30W USB-C PD GaN Wall Charger と比較しても、ひと回り小さく(42×35×35mm)軽量(実測65g)です。
筆者は45W充電器をそこまで多く見てきたわけではないため、過去製品と比較してどう。ということはいえませんが、30W製品よりも小さい筐体にも関わらず、15W大きい出力ができるのは純粋に凄いといえます。
・本体の仕様をチェック
ここでは、USB-C ポートの Power Data Object(PDO)と USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、過電流に対する保護機能の3点を確認しました。
PDO は表記よりも大きい値の場合、デバイスを過電流により破損させる恐れがあり、小さい場合は景品表示法上の問題が生じます。また、USB- PD 規格では USB-PD 以外の急速充電への対応を禁止しています。過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として実装されています。
問題のある製品の場合、主にこのいずれかのポイントで問題点が露見するため、本誌ではこの3つの検証結果を主に使用しています。
確認の結果、メーカーが提供する PDO と実際の PDO が一致しており、PPS の実装方法にも問題点は見当たりませんでした。また、USB-PD 規格上で禁止されている USB-PD 以外の急速充電規格(Quick Charge 等)への対応も見られませんでした。(PPS対応製品の場合 Quick Charge 4.0 対応となる)
なお、アナライザー上では48W充電器として認識されていますが、PPS 対応製品では数Wほど実際の数値よりも高く表示されることが多く、充電器側の問題ではないと推定されます。
次に、過電流に対する保護機能の動作状況を確認しました。
確認の結果、保護機能が動作するタイミングは最大でも公称値+0.5A程度であり、この程度であればしきい値として妥当なものであることから、保護機能は正常に動作するといえる状態にあります。
最後に、MacBook Air with M2、iPad 9、iPhone SE(第2世代)での充電状況を確認します。
確認の結果、MacBook Air・iPhone・iPad でそれぞれの高速充電が作動していることを確認できました。
・使用感
本製品は、少し前の30W充電器よりも小型で、プラグも折りたたむことができます。
黎明期の20W充電器っぽさもある
45Wの USB-C 充電器としての基本的な性能や仕様に大きな不満を持つことは、まずないといえる仕上がりとなっています。
しかし、そもそも45W充電器という製品ジャンル自体が過去のものになりつつあり、Apple 製品をはじめ、Windows や Android タブレットなどを探しても、近年の製品で45Wを採用している例は少数です。大抵は、30Wか60〜67Wを採用しており、本製品を必要としている方がどの程度いるのか?という疑問はあります。
とはいえ、30W充電器と同等もしくはそれ以下というサイズですので、MacBook Air であれば30W以上の高速充電に、iPad Pro 12.9(M1)の40W高速充電用には良いかもしれません。
・総評
使用用途があれば買い。
本製品はそんな製品です。先の検証の通り、安全性や仕様に問題はなく、充電器の質としては非常に良いものです。
しかし、本製品のメリットを最大限に享受できるデバイスが iPad Pro 12.9(M1)の40W充電くらいしか思いつかず、汎用性を求めるならば60W製品を選んだ方が良いのでは?と感じています。
もっとも、これは昨今のデバイスの事情によるものであり、エレコム側の問題ではないため、45W充電器が欲しい人は本製品を選んで良いと思います。