みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、iPad(第10世代)で Apple Pencil を使用する際に必要となった、新しいアクセサリー「USB-C – Apple Pencilアダプタ」をクイックレビューします。

・USB-C – Apple Pencilアダプタ とは?

先日、Apple より iPad(第10世代)が発表されました。

同製品は従来の iPad シリーズと同様、Apple Pencil に対応するものの、使用できるのは初代 Apple Pencil のみ。すなわち、充電ポートが USB-C に改められた iPad(第10世代)に Lightning で充電とペアリングを行うアクセサリーを接続する必要性が生じました。

USB-C と Lightning という設計思想や登場背景が全く異なる2つの端子に無理やり整合性を持たせるため、Apple が行ったパワープレイが USB-C – Apple Pencilアダプタ というわけです。

・開封

パッケージ

裏面に漂う怪しい表記

内容物は本体の取扱説明書

本体

USB-C 側

Lightning 側

従来の Lightningアダプタ(左)と比較

・充電&ペアリング

本製品の実際に使用してみます。

なんだこれ

根本的に初代 Apple Pencil の充電方法に問題があった上に、謎アダプタ(本製品)を噛ませた上で USB-C ケーブルが必要になるという、恥の上塗りも良いところな状態であり、誰がこんな状態で Apple Pencil を使うのか甚だ疑問に感じます。

この状態であれば、従来の Apple Pencil が iPad に直接ブッ刺さる方がマシなレベルです。

・短いケーブルを用意すると?

充電に使用するケーブルが長いから不細工に見えるのではないか?と思い、短いケーブルを用意してみました。

エレコム MPA-CC01PNWH

まぁ、変わらない

幾分かマシなようにも思われますが、本質的には何も変わっていないため、ケーブルが短かろうが長かろうが、この方式が良く感じることはありません。

・EU さん?

この意味不明なアダプタが誕生した背景には、「24年までに EU 域内で販売されるデバイスは USB-C を採用しなければならない」という取り決めが大きく影響しています。

これは、EU による制裁金ビジネスの一種および Apple に対する敵対行動であり、e-waste 削減を大義としていますが、実際は Apple が Lightning 端子から得ている収益を大幅に削ることを目的としています。そのため、Apple は全てのデバイスから Lightning 端子を廃止しなければならず、その準備として iPad(第10世代)が USB-C 化されました。

しかし、USB-C 義務化の影響を受けるのは一部の電子機器であり、Apple Pencil や Apple Watch のような小型ガジェットは現段階ではこの規制の対象ではありません。そのため、Apple Pencil を USB-C 化する必要はなく、Lightning を USB-C 化する本製品が爆誕しました。

Apple としては iPad シリーズは廉価版の iPad という立ち位置であるため、それほどコストをかけずに Apple Pencil に対応させるにはこの方法しかなかったと思われ、苦肉の策ともいえそうです。

個人的な疑問ですが、このアダプタは EU が生み出した規制により誕生した魔物なわけですが、将来的にこれが EU 内外の世界中で e-waste になることについて EU はどう考えているのか非常に興味深くあります。

・総評

こんなものは作るべきではない。

本製品はこの一言に尽きます。この魔物を生み出す原因を作った EU も EU ですが、それを実行に移した Apple も Apple でアプローチが斜め上すぎて、ユーザーの利便性や事情は完全に無視されているように思います。

もはや、このレベルの魔物を生み出すくらいなら Logitech Crayon などのサードパーティ製スタイラスの方が利便性的にも勝り、Apple Pencil の価値を損なうようなことは控えるべきであったように思います。

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