みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

近頃、レビュー記事の更新をサボり、旅に出ています。これまでは、国外に住んでいたり、仕事の都合で外国に行くことが多く、旅といえば海外が当たり前でした。海外旅行も異文化に触れ、現地の人との交流を楽しむなど、非日常で新しい経験をたくさん得ることができます。

ですが、この頃になって、「日本にも素敵な場所があるんだろうな」と思いつき、今まで未踏の地であった東北地方〜北関東を中心に旅をしています。

今のところ、仙台を妙に気に入っており、移住しようかなとも考えたりするくらいです。

前置きが長くなっていますが、今回はこの頃、旅をして気がついた、モバイルバッテリーの必要性に関して、個人的な意見を書きたいと思います。なお、お決まりですが、あくまでも個人的な見解ですので、「そんな意見もあるのね」程度にご覧下さい。

・モバイルバッテリーをどう使っていたか

私は、iPhone 3GS からいわゆるスマートフォンというものを使っており、これは平成初期〜中期にかけて主流であったガラケーよりも、バッテリー持ちが極めて悪いものです。

変わらない伝統がガジェット界隈にもあれば良いですね(牛タン/仙台)

このバッテリーの持ちの悪さをカバーする製品が、モバイルバッテリーです。特に、iPhone 3GS 〜 iPhone 5s くらいまでの間は、日常で1日に2回程度モバイルバッテリーを使用することもあり、1〜2年程度でモバイルバッテリーを劣化させ、買い替えていました。

その後、iPhone SE(第1世代)や iPhone SE(第2世代)といった、廉価版 iPhone を使っていましたが、このくらいから日常ではモバイルバッテリーは不要、旅行の際は1回くらいは使う。といった感じになりました。

近年のモバイルバッテリーの使用頻度低下は、iPhone の省電力化やバッテリー容量の増大によるもので、年々、大きく、重くなる本体サイズの恩恵を受けていると言っても過言ではない唯一のポイントです。

しかし昨年、なんの理由もなく購入した iPhone 14 Pro を使い出して以降、モバイルバッテリーというものを全く使わなくなりました。

・旅行でバッテリーをよく使う理由

旅行に行って、「スマホのバッテリーの減りが早い!」というのはアルアルかと思います。

慣れない土地で行動する以上、マップを見たり、乗換案内を見たり、行程を確認したり、昼食の場所を確認したり…。挙げ出すとキリがないくらい、旅行ではスマートフォンというものをよく使います。

スマートフォンはバッテリーを喰って生きているため、ハードに使う「旅行」というシチュエーションではバッテリーの減りが普段よりも早くなります。

ですが、根本的な話として、スマートフォンの省電力性能とバッテリー容量が大きければ、ハードに使ってもバッテリーの減りは緩やかで、モバイルバッテリーの力を借りなくとも1日を乗り切ることができます。

・モバイルバッテリーは平成に置いておくべき代物か

だから、何が言いたいの?と言われそうですが、現代において、モバイルバッテリーという物は日常的に使う物ではなくなったのではないか?と感じています。

省電力性能も凄いけど、カメラも地味に凄いよね(無編集の函館の夜景)

これは、筆者がここ数ヶ月、旅に出て気が付いたことで、昔なら確実に1〜2回はモバイルバッテリーを使っていたであろう、使用状況にも関わらず、iPhone 14 Pro は途中充電が全く不要な上、1日を終えた段階で40%程度のバッテリー残量がありました。

しかも、数年前よりも情報化社会は進んでおり、デジタルチケットや電子決済、予約情報の提示など、旅先でスマートフォンを使う機会が格段に増えているにも関わらずです。

筆者は特に何も考えず、当たり前のようにモバイルバッテリーを持って行っていましたが、一度も使用しないとなると、単なるカバンのウエイトでしかありません。旅行の荷物は軽いに越したことはない。そう考えると、モバイルバッテリーは令和の旅には不要なものです。

とはいえ、各自の使用方法や使用機種によって、状況は様々でしょうから、真似るのであれば、様子を見てからにして下さい。

・気が付くのが遅い?

この記事を読んで、「今頃気がついたの?」と思う方もいるでしょう。

ですが、多くの方が「そんなことになっているとは」と感じられたのではないでしょうか。これは、使用機種の新旧も若干は影響するでしょうが、多くの場合、単純に気づかせてくれる機会が極端に減ってしまったことが原因だと思います。

日本にもまだまだ知らない世界があることにも気がついた(岩木山/青森県)

もちろん、この原因というのは、噂のウイルス改め、COVID-19 であり、約3年間に渡りなんらかの制限がある世の中でした。特にこの影響を大きく受けたのが、旅行という分野で、業界が壊滅的な打撃を受けたのはもちろんのこと、この様な旅先での言ってしまえば「どうでも良いこと」すら我々は気が付く機会を失っていたようです。

どうでも良いことに気が付くことができるようになった世界は、素晴らしい物であり、思う存分に楽しめば良いでしょう。しかし、その世界線にモバイルバッテリーというものはおおよそ不要で、今後リリースされる新製品には必要性に疑問を持って、接しなければならないのも事実です。

・今後のモバイルバッテリー市場は厳しいか

スマートフォンの性能向上云々よりも、市場普及率を考えると、モバイルバッテリー市場は既に飽和状態です。

そのため、現状でも各社ともあれこれ新機能や新仕様を採用して、買い替えを促そうとしていますし、「コロナが明けて、お出かけが増えた貴方に!」的なノリで、さも必要であるかのように、今後も製品の必要性を訴えかけてくるでしょう。

しかし、コロナが明けた令和の時代に、高性能なモバイルバッテリーを買ったとて、日常では使うアテがなく、気が付いたらバッテリーが劣化して、使い物にならなくなっていたというのがオチでしょう。

そういう意味で、今後モバイルバッテリーが目指すべき方向性は、災害時の非常用電源としての役目や、電気の確保が難しいアウトドアシーンなどの「非日常」での利用に限られ、普通の人が普通に使うという時代はもはや過去のものとなったのかもしれません。

※この記事はなんなんだという声が聞こえてきそうですが、コラムですので。