みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、Anker 312 Charger (20W) をレビューします。本製品は、スマートフォンやタブレットの充電を想定した20Wの USB-C 充電器です。
類似製品としては、Anker 511 Charger (Nano Pro) や Anker PowerPort III Nano 20W がありますが、本製品はそれらの製品よりも安価な製品となっています。
Contents
・開封
パッケージ
内容物は本体と取扱説明書
本体
プラグは折り畳めない
USB-C ポート
単3電池と比較(近くに転がっていたので)
・本体の仕様をチェック
ここでは、充電器の仕様がどのようになっているかを確認します。
Power Data Object(PDO)、USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、過電流に対する保護機能の3点を確認し、安全上の問題がないか、景品表示法上の問題がないかを確認します。
PDO および 対応する急速充電規格を確認したところ、PDO は製品の表記などと一致しており、PPS の実装方法にも問題は見受けられませんでした。しかし、対応する急速充電規格については、Quick Charge などへの対応が見られました。
対応する急速充電規格については、USB-PD 充電器は、規格上、USB-PD 以外の急速充電に対応することが禁じられています。ただし、他の急速充電規格と USB-PD を安全に両立することも技術上可能で、本製品も安全な形で実装されており、実使用上の問題はありません。
次に過電流の保護機能が正常に動作するかを確認しました。
過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として充電器には必要不可欠なものです。
確認の結果、公称値+0.5A程度で過電流に対する保護機能が動作していることを確認できました。この値は、過電流保護機能の標準的な動作ポイントであり、同機能が正常に動作する状態であるといえます。
最後に各種デバイスでの充電状況を確認しました。
確認に使用したのは、iPad 10、iPhone 14 Pro、iPhone SE(第2世代)で、高速充電が正常に充電が作動していることを確認できました。
・使用感
本製品は、メーカーを問わず、20W充電器としてはかなり標準的な製品です。
ちょっとデカいけど、許容範囲内ではある
プラグが折り畳めないという部分も標準的な仕上がりで、いくら同クラスでは標準的とはいえ、これ自体、あまり使い勝手が良いものではありません。
プラグが折り畳めないと、持ち運び時にカバンの中で他の物を傷付けたり、プラグが曲がる、異物が付着するなど、製品破損や使用中の事故の原因となるリスクが生じます。また、リスクを敬遠して場所を持ち運ばず使用する理由にもなるため、本製品の特徴である、小型・軽量の意味が薄れてしまいます。
筆者が、極端にプラグが折り畳めない製品を嫌っていることも関係しますが、この点についてはあまり好ましくなく、ユーザーフレンドリーとはいえないポイントです。
さらに、使用中のコイル鳴きもあり、「ジーッ」という音が夜間や静かな環境下では耳障りに感じることもあります。
・本製品の価値とは
いってしまえば、何ら特徴のない普通の充電器ですが、過去の同社の類似製品と PPS 対応の有無という違いがあります。
PPS への対応により、これに対応するデバイスおよび Quick Charge 4.0+ 対応機種での充電に最適化され、旧製品よりも Android 端末などでは充電性能が向上しています。
しかし、iPhone や iPad をはじめとする Apple 製品ではこれらの恩恵はありませんし、Android についても、近年では25W充電が主流となりつつあることを考えれば、本製品の出力は現在の使用環境には則さない、やや古い製品です。
とはいえ、20Wと25Wとの差は気にしなければ、ごく僅かである場合が多く、USB-A 充電器と比較すると20Wでも十分に早いなど、これで十分と感じる人も一定数いるでしょう。また、この品質で¥1,500未満という価格を考えれば、十分すぎるものがあり、注文を付ける行為自体がナンセンスでしょう。
・総評
特にこだわりはないけど、USB-C 充電器が必要という人にオススメ。
本製品はそういえる製品です。基本的な仕様に大きな問題はなく、プラグが折り畳めないという問題はあるものの、価格を考慮すれば必要十分だと思います。
とにかく安い Anker の USB-C 充電器が欲しいという方は、購入されてはいかがでしょうか。