みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、エレコムより販売されている 20W USB-C & USB-A 充電器である EC-AC22WH をレビューします。

開封

パッケージ

本体

ポート類

プラグは折り畳み式

本体の仕様を確認

ここでは、USB-C ポートの Power Data Object(PDO)と USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、各ポートの過電流に対する保護機能を確認しました。

問題のある製品の場合、主にこのいずれかのポイントで問題点が露呈するため、本誌ではこの3つの検証結果を主に使用しています。

確認の結果、メーカーが提供する PDO と実際の PDO が一致していることを確認できました。また、メーカーから言及はありませんが、USB-A ポートは Quick Charge などの急速充電規格にも対応するようです。

次に、過電流に対する保護機能の動作状況を確認しました。

過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として充電器には必要不可欠なものです。

確認の結果、USB-C ポートの5Vの過電流保護が1.2Aを超過しなければ動作しないこと、2ポート同時使用でも5V/2.9A(USB-C)の出力が可能となっていることを確認しました。

前者については、過電流保護機能は+0.5A程度で動作することが望ましく、その倍以上となる1.2Aの超過に至るまで保護機能が動作しないのは、保護機能はあるものの、動作開始ポイントがかなり遅く、保護機能として有用に機能するかに疑問符がつきます。

後者については、本製品の「2ポート同時出力時:合計最大15W」と言う表記を考えれば、妥当なように思います。

しかし、検証中にデータを取得していない USB-A 側の出力をチェッカーで見ていると、こちらは5V/1.5A(7.5W)程度の出力が行われており、2つの出力を合計すると20Wを超える電力を供給していたことになります。

20W充電器が、余力をみた22Wの電力供給を行えること自体に問題はないと思いますが、2ポート15Wを謳っている上で、この仕様というのは個人的にはいかがなものかと思います。

とはいえ、関連する規格を厳密に遵守するデバイスであれば、余分な電力が引き出されるということはなく、過電流によるトラブルはまともな製品を使っていれば、起こる可能性は極めて低いと考えらます。

最後に、各種デバイスへの給電状況をチェッカーを使用して確認します。

確認に使用したデバイスは、iPad 10、iPhone 15 Pro の2機種で、いずれも高速充電が動作していることを確認できました。

ただし、デバイスの本体に USB-C ポートを搭載したこれらのデバイスを USB-A 充電器で充電した場合、Apple 2.4A(12W)ではなく、USB-BC 1.5A(7.5W)が充電の上限となるため、Lightning 端子を搭載したデバイスよりも充電速度が遅くなる傾向があります。

かなり攻めた仕様

本製品は、以前レビューした30W版と同様、2ポート同時使用を想定した製品ではありませんし、2ポート同時使用で合計最大15Wしか出力できないのは、USB-PD の規格には沿わないものです。

とはいえ、この仕様は一般的に安全に重大な問題を引き起こすような問題点ではなく、他のメーカーでも採用が目立ち、あまり問題視すべき仕様ではないかもしれません。

そこに2ポートがあるのなら両方を使いたくなるのが人間の性だが…

製品仕様に問題といえる箇所はあるものの、USB-C 充電器においてはどこのメーカーでも、この程度の問題はいくらでもあるため、さほど驚きはありませんでした。

どちらかというと、20Wの USB-C 充電器に USB-A まで付けて、同時使用ができるようにしてしまうという部分に「いくらなんでも最低限を攻めすぎでしょ」と感じてしまい、その他の箇所が気にならなくなってしまっています。

というのも、2ポート同時使用の場合、各ポートから出力されるのはわずか7.5W(1.5A)であり、スマートフォンやタブレットの充電には、あまりに貧弱すぎます。というよりも、2020年台にもなって、この充電速度で満足に充電できるデバイスは、ほぼほぼ存在しないでしょう。

そのため、普通であればこのような充電器に2ポート同時使用ができる機能を搭載することはせず、どちらか1ポートしか使用できないとした方がスマートです。

にも関わらず、この仕様で出してきたメーカーには、「おっ…おう…(ドン引き)」という感想しか持ちませんでした。

使用感

あまりにもスペックが低い本製品ですが、1ポートの USB-C/A 充電器としては使いやすい部類に入ると思います。

可もなく不可もないサイズ

20W USB-C 充電器としては標準的なサイズ感ですし、重量も実測で45gと USB-A がある分、重くなっていますが、許容範囲内です。

また、プラグが折り畳めるようになっており、持ち運び時にプラグで他の物を傷付けたり、プラグが曲がったりすることを防止でき、持ち運びに最適な構造となっていると思います。

しかし、コストカットを最優先した結果か、接続するデバイスの増減(1ポートで使用中にもう1ポートを使い出す等)を行うと、瞬電が発生し、充電が一時的に停止されます。

これは初期のマルチポート USB-C 充電器にはよく見られた症状ですが、近年ではほぼ見ない仕様で、本製品の内部基盤はかなり古い設計であることが伺えます。瞬電は、場合により充電開始音の大合唱の原因となりますので、その点には注意が必要です。

総評

とりあえず充電ができれば良いという人にはオススメ。

本製品はそういえる製品です。おそらく、本誌の読者層を考えるとまず購入の対象にならないと思われ、一般的にもあまりに低スペック過ぎる製品ですが、販売価格を考えると文句を言う方が難癖を付けている状態だと思います。

様々な制約がありますが、それを理解の上であれば購入しても良いのではないでしょうか。