みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は、iPhone SE ユーザーが iPhone SE (2nd generation) に乗り換えた理由をご紹介します。
なお、iPhone SE (2nd generation) の個別レビューをお読みになりたい方はこちらからご覧いただけます。

※本記事では、2016年に発売された iPhone SE を iPhone SE、2020年に発売された iPhone SE は iPhone SE (2nd generation) と表記します。

・iPhone SE の陳腐化が激しい

今回、筆者が iPhone SE (2nd generation) を購入した最たる理由は、iPhone SE の陳腐化が激しかったから。というものです。

iPhone SE は、2016年に小型版を求めるユーザーの声に応えて生まれた、最後の4インチ iPhone でした。

しかし、それから4年もの歳月が流れると、4インチという画面サイズが使用上アダになるケースが多発します。具体的には、アプリのレイアウトが崩れている、Webサイトの表示が切れるといったものです。これらは開発者側に依存する問題ですが、開発者が4インチをサポートする必要性が薄くなっていると考えているからこそ発生する現象であるため、4インチに固執し続けるのも難しくなったと感じました。

さらに、iPhone SE は筐体は iPhone 5/5s、SoC(CPU)は iPhone 6s と、各モデルの良いとこ取りをしたモデルのように思われがちですが、LTE モデムに関しては iPhone 6 のものが採用されています。そのため、元から SoC が同じ 6s と比較すると通信速度の面で大きく劣っているのは承知していましたが、iPhone 11 シリーズなどの最新モデルと比較するとその差はさらに顕著なものとなってしまいました。

また、速度面でもアプリの起動に時間を要するようになったり、クラッシュするといった症状が頻繁に出だしたことも買い換えるに至った要因です。

・バッテリーも死にかけ

これらに加え、iPhone SE のバッテリーが劣化しつつあったことも買い換えを行った理由です。

内蔵バッテリーに関しては、2018年に一度交換を行なっていましたが、それから約1年半が経過し、再び交換を検討しても良いバッテリーの状態となっていました。また、iPhone SE (2nd generation) は iPhone SE よりもバッテリー駆動時間が長く、普段使いでも有利に働く可能性が高い点も、買い換えにあたり評価したポイントです。

・強化された機能

iPhone SE (2nd generation) と iPhone SE を比較すると、あらゆる面で進化を実感することができます。

Apple が公式に iPhone SE (2nd generation) の特徴としてプッシュしている A13 Bionic の採用、IP67 の防水/防塵性能、eSIM、Wi-Fi 6、18W USB-PD 充電器を利用した高速充電、ワイヤレス充電以外にも、FeliCa 搭載による単独での Apple Pay 対応、カメラ性能の向上、Bluetooth 5.0、ステレオ再生、Dolby Vision と HDR10 コンテンツへの対応、気圧計の実装など様々な強化ポイントがあります。

特に、Apple Pay、高速充電、ワイヤレス充電に関しては、買い換えた段階からその恩恵を最大限に享受しており、eSIM に関しても海外在住の筆者にとっては強力なツールになると考えています。

もはやここまでの違いがあると、「買い換えて特に何も変わらなかった」とはお世辞でもいうことができないレベルです。

・買い換えのデメリット

ここまで、iPhone SE を iPhone SE (2nd generation) に買い換えた理由、それによって受けた恩恵をご紹介しましたが、世の中には「完璧」なものは存在しません。iPhone SE (2nd generation) も、その例に漏れず「ここは iPhone SE の方が良かったな」と思う点がありますので、その点はきっちりとお伝えしておこうと思います。

出目金カメラ

筆者は iPhone 6 発売時から今日に至るまで、カメラ周りのデザイン、とりわけ凹凸のあるカメラデザインに関しては一度たりとも容認していません。

「未だに、そこに固執していた人がいたんだ」など、昨今は驚かれることすら増えてきたデザインに関する問題ですが、やはり iPhone 5s までの iPhone や iPhone SE のフラットな背面は美しく、未だに出目金カメラを妥協することはできません。

ですので、この点に関しては明確に iPhone SE の方が良かった。と断言できる点です。

イヤホンジャックの消滅

iPhone SE から iPhone SE (2nd generation) になり、大きく変わったポイントに、イヤホンジャックの有無があります。

こちらについては、筆者が使用するイヤホンは Lightning 接続ができる、Lightning – 3.5mm Audio 変換プラグ を普段から持ち歩いているため、個人的な影響は少ないものです。しかし、ここに最大のデメリットを感じる方も一定数いらっしゃいますので、一応挙げさせていただきました。

なお、AirPods などに代表されるワイヤレスイヤホンを既に利用されている方にとっては、実用上の問題にはならないかと思います。

本体重量

本体重量に関しては、根本的に本体サイズが異なるため一概には言えませんが、iPhone SE の113gから iPhone SE (2nd generation) では148gと、35gの重量増加となっています。重量増加が実用に与える影響はごく僅かですが、なんとなくカバンが重くなったり、片手持ちよりも両手持ちをしたくなったりと、何かが変わることがあるのが事実です。

・時期の問題

昨今の通信事情に興味をお持ちの方であれば、現在が通信規格の過渡期であることはご存知かと思います。

事実、欧米などでは昨年より第5世代移動通信規格 5G の商用サービスが開始され、日本国内でも20年春より大手3社がサービスインしました。本稿執筆時点では、5G に対応した iPhone は発表されていませんが、Apple も間違いなく通信規格の移行には乗じるため、今の時期は 5G 対応機種が登場する前夜とも呼べます。

そのようなご時世の中、まもなく旧規格になる 4G/LTE にしか対応しない iPhone SE (2nd generation) を購入するのはどうなのか?

一度購入すれば数年間は使う携帯電話の購入には、慎重にならざるを得ません。

筆者としては、「5G が少し気になる」「5G の高速通信を体験したら心が揺らぎそう」と思う方は、iPhone SE (2nd generation) の購入を避けた方が良いと思います。また、「気にならない」という方でも、2年以上の使用を前提として購入される場合、新技術の恩恵を受ける事ができない期間が長くなることを認識しておく必要があります。

・X系からの乗り換えには要注意

余談かつ、分母としてはかなり少ないとは思いますが、iPhone X/XS/XR などのホームボタンがないモデルからの乗り換えには要注意です。

乗り換えにより、操作性が大幅に変わる他、Face ID や アニ文字などの機能が利用できなくなる、カメラ性能についてもデュアルカメラを搭載したモデルと比較すると、劣化する傾向にあります。ですので、「最新の SoC と価格に惹かれた」「昔に戻るだけだから大丈夫」という安易な理由で、X系から iPhone SE (2nd generation) に乗り換えることはお勧めしません。

もし、これらの機種からの乗り換えを検討される場合は、iPhone 11 以上の機種をお勧めします。

・総評

買い換えは概ね良好な結果をもたらした。これが、筆者が感じているリアルな感想です。

iPhone SE (2nd generation) は、その強化された機能で多くの恩恵をもたらし、iPhone ライフのクオリティを向上させた反面、iOS の共通デザインや機能、iPhone 6 から大きくは変わらない筐体デザインなど、退屈さを感じさせる部分があったことが「概ね」が付いた要因です。

しかし、筆者は近いうちに登場するフラッグシップ iPhone までの繋ぎとして購入している上、5万円という販売価格を考えても、これ以上何かを求める気にもなりません。

前回より一貫して辛口なレビューとなっていますが、十分に購入を推奨できる製品ですので、気になる方は検討してみてはいかがでしょうか。

 

iPhone SE (2nd generation) – Apple

最終更新日:2023年8月30日

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