みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

今回は意外と奥が深い 2A と 3A の違いをご紹介します。

本稿はみなさまにわかりやすく内容を理解していただく目的で作成しておりますので、詳細などを省略している場合もあります。その点についてはご容赦下さい。

・2A と 3A の違いは流せる電流の量の違い

2A と 3A の違いは、基本的は 1A と 2A の違いと同様に USB ポートから流せる電流量の違いを表した数字です。

数字が大きい方が流せる電流量は大きくなるため、2A よりも 3A の方がデバイスの充電を速く行うことができます。

・端子の形状が大きく異なる

2A と 3A の違いで特筆すべきポイントは 5V の場合に限り、 2A と 3A では使われている端子が異なるという点です。

これは、USB Battery Charge(USB-BC)という規格に準拠するためで、2A には、USB-A(上記右)、3A には USB-C(上記左)が使用されています。そのため、USB-BC にのみ対応する充電器でも 3A 出力(最大15W)に対応する場合には端子に USB-C が採用されます。

・V も合わせて確認する必要がある

充電器の〇〇Aという表記の横に必ず併記されている V(ボルト)も、A の違い同様にデバイスの充電速度に影響を与える重要な要素です。

従来の場合、USB 充電器は全て先述の USB-BC が利用されていました。しかし、近年ではそれに代わり USB Power Delivery(USB-PD)が USB 充電器に採用されるケースが増えています。この背景には、最大100Wまでの電流を扱え、より高速にデバイスを充電できるなど USB-BC よりも優れた性能を持っていることなどが挙げられます。

USB-BC であれば、一律 5V の電圧が使用されていましたが、USB-PD では 5V/9V/12V/15V/20V の5種類が利用可能になっています。そのため、これまで考慮する必要がなかった V 数に関しても現在では考慮する必要があります。

また、先ほどは A数によって端子が異なるとご紹介しましたが、V数が 9V 以上の USB-PD の場合、2A という数字も USB-C 充電器で頻繁に見る値となります。最も有名なところでは、スマートフォンに同梱される事が増えた18W(9V/2A)充電器です。

・下位/上位互換の話

3A 充電器で 2A のデバイスを充電して良いのか?逆に、2A 充電器で 3A のデバイスを充電して良いのか?疑問に思う方も多いかと思います。

結論から言うと、問題なく利用できるケースがほとんどです。

一般的にはデバイス側に電圧の制御基盤が内蔵されており、最大2Aの充電にしか対応していないデバイスに 3A 充電器を利用した場合でも 2A での充電になります。また、3A 充電に対応するデバイスに 2A 充電器で充電を行っても、充電速度が低下する意外のデメリットはありません。

但し、これらは安全性の高い充電器を使用した場合の結果であり、粗悪な製品を使用した場合、デバイスの破損や焼損などの原因にも繋がります。

・目的に応じた製品選びを

近年、充電器の仕様や種類が複雑化し目的に合った充電器でない場合、充電すらできないというケースすら存在します。また、同様に充電速度が異様に遅い、充電器やデバイスの充電性能を最大限に発揮できないという場合もあります。

充電器選びの基本は、互換性やメーカー保証の観点からいえば純正品や正規ライセンス品を選択することです。しかし、これらの充電器も USB の規格に準拠して製造されている場合が多く、サードパーティー製充電器でも仕様さえ合致すれば問題なく利用できます。

 

本誌では、それぞれの目的に見合った記事を用意していますので、そちらも合わせてご覧いただければと思います。

急速充電、高速充電、USB-PD、Quick Charge。何がどう違うのかというお話
【知らないと危険!】充電器や電化製品に書かれている「V」(ボルト) とは?
【知っておきたいこの違い】スマホ充電の2Aと18Wは何がどう違うの?
今だからこそ知っておきたい 1A と 2A の違い
【簡単】誰でもわかる USB-C と USB-PD の違い

最終更新日:2023年10月14日

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