みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、Anker PowerPort III Nano 20W をレビューします。本製品は、iPhone に付属する 5W 充電器とほぼ同じサイズ、30g と驚異的な軽さを誇りながらも、20W の USB Power Delivery(USB-PD)出力に対応した USB-C 充電器です。
本体の出力仕様に若干の気になる点はありますが、みなさまにオススメできる良い製品となっています。
Contents
・フォトレビュー
内容物は本体、取扱説明書*2
本体
プラグは折りたためない
iPhone に付属していた充電器と比較
・衝撃の小ささ。けれどパワフル
本製品の寸法は約45 × 27 × 27mm(プラグ部含む)と、多くの iPhone に同梱されていた5W(5V/1A)充電器とほぼ同じサイズとなっています。
また、100円硬貨と比較しても以上の通りで、小ささに驚かされます。小さなボディにも関わらず、最大20Wの出力に対応しており、iPhone 12 を45分で0%から73%まで充電することができました。
・動作検証
ここでは、USB-C ポートの Power Data Object(PDO)と USB-PD 以外の急速充電への対応の有無、過電圧に対する保護機能の3点を確認しました。
PDO は表記よりも大きい値の場合、デバイスを過電流により破損させる恐れがあり、小さい場合は景品表示法上の問題が生じます。また、USB- PD 規格では USB-PD 以外の急速充電への対応を禁止しています。過電流に対する保護機能は、異常発熱・出火などを防ぐ目的の保安機能として実装されています。
問題のある製品の場合、主にこのいずれかのポイントで問題点が露見するため、本誌ではこの3つの検証結果を主に使用しています。
検証の結果、PDO は製品本体の記載や販売ページに記載されているものと一致していました。USB-PD 以外の急速充電への対応は、Quick Charge 3.0 への対応が確認できました。また、過電流保護に関しては特に問題は見受けられませんでした。
なお、USB-PD 以外の急速充電規格への対応は、USB-PD の規格に沿わないもので、本来であれば規格違反に該当する仕様となります。しかし別検証で、Quick Charge 使用中でも規定外の電力供給は行われていないことを確認しており、Quick Charge が原因の使用上、保安上の問題が発生することは極めて低いと考えられます。
・総評
iPhone 12 シリーズ発売直後より、全ての iPhone に AC アダプターが同梱されなくなりました。
これにより、充電器難民に陥っている方もいらっしゃることかと思います。本製品は、そんな方に是非オススメしたい製品です。従来の Apple 純正 ACアダプターとサイズはほぼ変わっていないにも関わらず、5Wから20Wによる電圧のUPで充電速度は大幅に向上します。
従来の使い勝手を維持したまま、充電環境を大きく向上できる点はユーザーフレンドリーであり、好感が持てるポイントです。但し、使用上や安全性に問題はないものの、Quick Charge に対応している点は USB-PD の規格には準拠しないものであるため、個人的にその点だけは引っかかるものがあります。
スマートフォンの充電器の購入を検討されている方は、本製品を検討してみてはいかがでしょうか。