みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
今回は、タイトルの通り iPad 9 に iPadOS 15.2 を適用すると USB-PD 充電ができるようになるのではないか?というお話です。
・ことの発端
そもそも、iPad 9(無印 2021)は USB-PD を用いた高速充電(最大20W)には対応していませんでした。
発売から数週間が経過した2021年10月13日(iPadOS 15.0.1)に私もこのことを確認していますし、レビュー記事を出した時点(iPadOS 15)でも「高速充電には対応しない」ことを確認していました。
しかし、2021年12月14日にリリースされた iPadOS 15.2 以降、充電速度に違和感を感じ出しました。
具体的にいうと、同じ Apple 2.4A 充電のはずなのに iPad 6と9では充電速度が明らかに違う。これに加え、なぜか iPad 9 でも端末により充電速度にかなりのムラがあることに気がつきました。
私の使用環境では複数の無印 iPad 9/6 があり、専用の収納台にて大量にデバイスを充電するという運用を行なっていました。充電に関しても、ほぼほぼ同じような電池残量になってから充電を開始するため、充電速度に明らかな差があると言うのは異様な状態でした。
当初は充電速度が遅い iPad 9 は初期不良、もしくは充電器が故障したのではないか?と思い充電ログを確認したところ、iPadOS 15.2(もしくはDev Beta版)が適用されたデバイスのみ、充電時間が短縮されていました。この時点でようやく、「高速充電になってね?」と気が付きました。
・実際に計測してみる
とはいえ、検証を始めた段階では iPad 9 がソフトウェアアップデートにより高速充電に対応したとは考え難く、ベータ版でもそのような報告は挙がっておらず、疑心暗鬼での検証開始となりました。
今回は、100W、30W、20W 充電器を使用し、どのような充電がなされるのかを確認しました。
100W充電器(14.97V/1.287A/19.166W)
30W充電器(15.14V/1.298A/19.566W)
20W充電器(9.008V/2.139A/19.266W)
検証の結果、誰がどう見ても USB-PD を用いた 20W高速充電に対応しています。
「いや、ポテンシャルあったんかい!」と総ツッコミしたくなるまさかの事実の登場に、流石に困惑を隠せませんでした。なお、iPad 6 でも確認しましたが、こちらは相変わらず Apple 2.4A 充電のままでした。
・まとめ
正直なところ、いつから高速充電に対応したのかははっきりしません。
Apple の技術仕様書や充電器のページにも対応機種として明確な記載があるわけでもありません。また、USB-C 充電器が同梱されるようになった iPad 7/8 はどうなのか?などは実機がないため、検証できていません。
ですが、目の前にある iPadOS 15.2 が適用された iPad 9 はどう見ても高速充電に対応していることは紛れもない事実です。
正直、この情報がどれだけの人に必要とされているかは不明ですが、iPad 9 も高速充電に対応しましたので、充電の際は20Wの USB-PD 充電器での充電をお勧めします。