みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。
この記事では、USB-C(USB-PD)充電器の買い換えを行うタイミングについて考えてみます。
・不便がないなら「使いたいだけ」使えば良い
この記事の結論にして、既に記事の存在意義を否定するかのような発言ですが、「不便がないなら使いたいだけ使えば良い」というのが、個人的に感じていることです。
もちろん、破損や経年劣化がある製品を使い続けることは絶対に推奨しませんが、今使っている充電器に不満がないのであれば、買い換えなくても良いと思います。
というのも、USB-C 充電器は地道に進化を続けている反面、デバイス(特にスマートフォン)側の進化はイマイチ進んでいません。
実際の例を出すと、2017年に Apple は初の高速充電対応デバイスとして、iPhone X をリリースしました。iPhone X は最大18Wの USB-PD 充電に対応しています。
そして、それから5年が経過した2022年。Apple は iPhone 14 シリーズをリリースしましたが、同社は20Wを標準的な高速充電の基準としています。(厳密にいえば最大30Wまで対応していますが)
5年の歳月をかけ、引き上げられたW数は「僅か2W」であり、充電時間にも大きな差が生まれないことから、仮に2017年に購入した18W充電器があるのであれば、わざわざ買い換える必要があるとは思いません。
・とは言いつつも
一般的に、充電器は壊れるまで使う人が9割以上でしょう。
ですが、先ほども軽く触れた通り、USB-C 充電器は日々進化しています。
全て同じ30Wの充電器
数年前に販売されていた充電器よりも「小型、軽量、低発熱」といった性能面、「複数ポート、多色展開」などの機能やデザイン面でも、最新の充電器は大きく変化しています。
そのため、これらの恩恵を受けることに合理的な理由がある場合(荷物の重量削減や利便性向上など)は、買い換え・新規追加を行う絶好のタイミングでしょう。
また、個人的な感覚では、USB-C 充電器に劇的な変化がもたらされるのは2〜3年に1度くらいの頻度ですので、それくらいを期間的な目安も持っておくと良いかもしれません。
・将来性を検討することは必要か
物を買い換えるに当たり、多くの人が「どれくらいの期間使えるのか?」を気にすると思います。
冒頭の例であれば、Apple の 18W 充電器を購入していれば、2017年から少なくとも5年は使えているということになります。お金を出すならば、できるだけ長期間使用できるコスパに優れる製品を購入したい。これは消費者心理として真っ当なものです。
しかし、この検討はハッキリいって「無駄」以外の何者でもありません。
そもそも、ハイテク製品の将来像ほど想像することが難しいものもなく、数年後にスマートフォンという分野の製品が消えてなくなっていることすら考えられます。
また、iPhone 14 シリーズでも、日本で最初に販売された iPhone である iPhone 3G に同梱されていた 0.5A 充電器で「充電すること」はできるため、充電速度や利便性をぶん投げれば14年目の充電器であろうが使用すること自体は可能です。
そのため、「常識的な範囲内で使用できれば十分」という一般的なケースであれば、その充電器の将来性など考えず、買うときに自分が良いと思った物を購入すれば良いと思います。
・総評
今回の内容を簡単に総括すると、「基本的には壊れたら買い換えれば良い。2〜3年で換えると良いかも」です。
昨今(2022年〜23年にかけて)は、2〜3年に1度訪れる「変革期」に入っており、各社から従来よりも性能が高く、小型な充電器を大量にリリースされています。
ひと月に同じような充電器を数台購入する筆者でも、今回の変革期の革新ぶりには驚かされている上、月が変わるだけでも大幅な変化がああったりと、なかなか「買い時」を指し示すことが難しい状況です。逆にいえば、従来製品と比較して大幅なアップデートが施され、買い換えの好機ともいえそうです。
なお、本誌では様々な USB-C 充電器のレビューや充電器に関するアレコレを発信していますので、よければあせてそちらもどうぞ。