みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe(@WWDC1999)です。

今回は、かなり危険な話題を取り扱おうと思いマス。
その危険な話題というのが、

「急速充電、高速充電、USB-PD、Quick Charge」

の違いについて。
このネタでヘマをすると、あらゆる方向からツッコミが来て大変なことになりかねませんが、ガジェットレビューを扱う、本サイトでスルーし続ける訳にもいかないので、そろそろ書いてみようと思います。

なお、今回は技術的なことは殆ど触れず、用語とその目的の違いを紹介することで、ガジェットを購入する際に自分に一番合う製品を選びやすくすることを目標に本稿を作成しています。

・高速充電、USB-PD、Quick Chargeの違いは案外簡単

急速充電については後述するとして、まずは「高速充電、USB-PD、Quick Charge」の違いから。

これら3つの充電規格の違いは「どのメーカーが規格を作っているか」「どのデバイスに向け作られたものなのか」を理解すれば、簡単に区別できるようになります。

規格名 規格策定元(製造) 利用可能デバイス
高速充電 Apple iPhone X/8/8 Plus・iPad Pro 12.9/10.5
USB-PD USB-IF USB-PDに対応した全てのデバイス
Quick Charge Qualcomm Quick Charge機能を搭載した全ての端末

 

「高速充電」以外はかなりザックリとした対応デバイス表記となっていますが、ここからは各規格をもう少し詳しくご紹介します。

・高速充電が使えるのはApple製品だけ

Appleが2017年にiPhone X/8/8 Plusをリリースした際、「iPhoneを30分で最大50%まで高速で再充電できます。」というアナウンスを行っていました。同製品ではQi規格を用いたワイヤレス充電にも対応した為、話題がそちらへ流れていた印象ですが、個人的には2017年の iPhoneシリーズの最も大きな変更点だと思っています。

iPhone X

この、30分で最大50%まで再充電できるという機能。これが「高速充電」です。

・USB-PDは次世代の高速充電規格

次に「USB-PD」について。
本規格は、USBの規格を策定している非営利組織「USB-IF」が定めた、USBを用いて最大100Wまでの電力供給ができる規格です。

USB-PDに対応したUSB-C to USB-Cケーブル

USB-PDの「PD」は「Power Delivery」の略であることからも、電源供給が行える規格だということがわかります。

これまで多くのスマートフォンに採用されてきたUSB(BC対応)の供給可能電力量が、最大10Wであったのに対し、USB-PDはその10倍にあたる「100W」の電力供給量を誇ります。また、最大100Wまでの電源供給に対応しながらもコンパクトな設計となっているため、ラップトップやスマートフォン、モバイルバッテリーなどへの採用もみられるようになり、今後最も普及する急速充電技術となりそうです。

・Quick ChargeはQualcommの急速充電技術

3つ目は「Quick Charge」について。
こちらは、アメリカの半導体メーカーQualcomm社が策定し、専用回路を搭載した一部のAndroidスマートフォンなどで利用できる急速充電技術です。

本規格の最新バージョン「Quick Charge 3.0」は、30分で最大50%まで再充電できるとされており、Androidスマートフォンやタブレットの急速充電では本規格が最も一般的に使用されています。

しかしながら、多くの端末に採用される反面、USB-PDの互換性を損なうものとしてGoogleは本規格を含めた様々な規格の排除に乗り出しており、将来性はかなり怪しい急速充電技術です。

・問題は急速充電

「急速充電」と一言に言っても、先述の3規格も「急速充電」ですし、世の中には急速充電と呼ばれる技術はまだまだ沢山存在します。

ですが、最も(?)一般的に使われている「急速充電」は「5V/2A充電」のことではないかと個人的には思っています。これは、先ほども登場したUSB-IFが策定している「USB 3.0」の規格(5V/1A)と比較して高速に充電できることから「急速充電」と名付けられた経緯があります。

しかしながら、この「急速充電」という言葉に具体的な使い方の取り決めが存在せず、デバイスメーカーやアクセサリーメーカーの独断と偏見で使用されています。そのため、USB 2.0の規格(5V/0.5A)と比較して高速だから「急速充電」(この場合 5V/1Aを指す事が多い)としているメーカーもあり、かなり曖昧な使い方がなされています。

とはいえ、USB3.0がスタンダードとなった昨今では「5V/2A充電」を急速充電と呼ぶのが最も一般的だといえます。

・スピード勝負ではUSB-PDに軍配があがる『ハズ』

では、この4つの規格の中でスピードランキングを付けるとするとどうなるのか。

一般的には「USB-PD」>「高速充電」「Quick Charge」>>「急速充電」となるかと思います。

「一般的」というには訳があり、USB-PDのW数によってはAppleの高速充電やQuick Chargeの方が速い場合もありますので、あくまで参考程度として下さい。

・ザックリまとめると…。

以上のことを踏まえ、4つの急速充電技術についてザックリとまとめると、

・高速充電はApple専用
・USB-PDは互換性を持つあらゆるデバイスを超高速充電できる
・Quick Chargeはスマートフォンなどの比較的小型なデバイスに向けたもの
・急速充電の基準はかなり曖昧だが一般的には5V/2Aを指す

といった具合でしょうか。
これらの違いさえ理解していれば、4つの急速充電技術は何が異なり、どの急速充電技術が自分のデバイスにマッチするのかがわかり、自然と選ぶべき充電仕様や製品が見えてくると思います。

 

・自分自身に合った製品を選ぶには

これらのことは踏まえて、自分自身に合った製品を選ぶにはどうすれば良いのか。

私からは「説明書を熟読し、使用中のデバイスがどの急速充電に対応しているかを確認して下さい」としか言えません。

世の中には、星の数ほどのデバイスがあります。その全てに対し、コレにはコレ、アレにはソレ。という風な案内をすることは不可能です。ですが、皆さまがお使いのデバイスの仕様を把握した上で本記事を読んで頂ければ、かなりの確率でどの規格に対応した製品を購入するのがベストなのかを知ることができるかと思います。

その上で、信頼できるアクセサリーメーカーやデバイスメーカー純正の充電アクセサリーを選ぶことで、安全かつ快適なガジェットライフを満喫できるかと思います。

 

・あとがき

今回、急速充電、高速充電、USB-PD、Quick Chargeという代表的な4つの急速充電の違いについて書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?

可能な限り、技術的な部分をカットし、何もわからない方でも違いについて理解していただけるよう最善を尽くしてみました。おそらく、4つの規格を紹介した記事の中では最もライトで読みやすい記事になったのではないかと思います。

とはいえ、やはりこれだけでは説明不足な部分もありますし、それぞれの規格についてキチンと知った上で製品を選びたいという方は、技術使用などをキッチリ説明した記事を確認されることをオススメします。

また、「ココ間違ってるぞ!」や「この表現の方が適切だ!」というご意見がありましたら、私のTwitterアカウントへ内容を飛ばしていただければと思います。

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