みなさま、こんにちは。充電器の沼にハマっている Kazuto Tanabe です。

みなさまは、充電器やケーブルを購入するときに重要視するポイントはなんでしょうか?色、サイズ、形、メーカー…etc。人によって様々な選び方がある充電アクセサリーですが、場合によっては間違った製品選択をしている恐れも。「え!」と思ったそんなあなたは、ぜひ最後までご覧ください。

・そもそもどんな影響があるのか?

まず、「間違った選択」とはなんぞや?という話です。簡単にいえば、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンの充電に必要な電力を確保できない製品を選択している or 必要以上の電力を供給する充電器を選んでしまっているということです。

これをしてしまうと、充電速度が異常なほど遅かったり、そもそも充電できない、無駄に大きくて重い製品を使っているなど、性能面から実用面まで様々なところに弊害が生じます。

この問題を避け、適切な充電アクセサリーを選ぶにあたり重要になる1つが、今回この記事で取り上げる「1A・2A・3A・5A」(アンペア)です。

・1A・2A・3A・5A の意味と違い

充電アクセサリーを見ていると必ずといって、2Aや5Aという数字を目にします。

この数字は、取り扱える電気の大きさを表した単位で、一般的に数字が大きくなればなるほど大きな電気を扱えるようになります。現在、主流の「1A・2A・3A・5A」の中では、5Aが最も大きな数字となりますので、5Aが最も大きな電気量を取り扱えるということです。

ただし、近年ではA数だけを重視しておけば良いわけではなく、上記はあくまでも基礎知識として頭に入れておいてください。

・実際の製品を見てみる

それでは、実際に販売されている製品でどのようにA数が扱われているかを見てみましょう。

今回は、Anker 511 Charger (Nano Pro) の販売ページを例にします。

上記は、Amazon の販売ページです。商品名の後に様々な情報が記載されており、その下にも製品の特徴などが数多く記載されています。

ですが、充電器の仕様を確認するときに見るべきポイントはここではありません

充電器の最も重要な仕様は「出力:5V=3A / 9V=2.22A」という部分です。他のメーカーの製品でも「出力」という項目に、その充電器の最も重要な情報が記載されています。

先述の通り、Aが充電器の出力、すなわちその充電器がどれだけの電力をデバイスに供給できるかを示しています。A数はその充電器の「強さ」ともいえ、上記であれば、3Aと2.22Aで前者の方が「強い」…わけではありません

・V数も重要な時代に

A数が大きい方が充電器として強いってさっき言ってただろ!嘘ついたのか!

と思われるかもしれませんが、先程の説明は「場合により正解」なだけであり、「常に正解」ではありません。ですので、「基礎知識として」ご紹介しました。

その、「場合により正解」なシチュエーションは USB-A 充電器の場合です。USB-A は既存の USB 端子の形状の名称であり、万人が想像する USB の形です。

一般的な USB-A 充電器

USB-A 充電器の場合、(一部の急速充電規格を除いて)V数は5Vで固定されているため、A数の大小で充電器の強さを表すことができました。しかし、近年急速に普及を見せる USB-C 充電器によりA数の大小だけではなく、V数も重視する必要が出てきました。

・5V/3A と 9V/2A 強いのはどっち!?

いきなりですが問題です。5V/3A と 9V/2A 強いのはどっちでしょう?
おおかた予想がついているかと思いますが、この2者の場合充電器としての性能が高いのは9V/2Aです。

では、これをどう判断しているのか?という話です。理屈を知ってしまえば、即答できるレベルで簡単に性能の違いを見分けることができるようになります。

その理屈とは、『V×A=W』の式です。5V/3A と 9V/2A の場合、5V/3A(15W)と 9V/2A(18W)となり、W数もA数と同様に数字が大きい方がより大きな電気を扱うことができます。そのため、この場合は 9V/2A(18W)が充電器としてより大きな電気を扱うことができます。

この計算をするために、A数意外にV数が必要なため、近年ではV数を重視する必要が出てきました。ただし、親切なメーカーであれば既にW数で充電器の性能を示している場合もありますので、その場合はそのW数で比較すればOKです。

より大きな電気を扱えると、充電にかかる時間を短縮することができるため、充電器選びにおいてはより大きな電気を扱える製品を選ぶべきです。

・ただ大きければ良いというわけでもない

今言ったことをまた速攻で覆しますが、充電器を選ぶ際にただ単に大きな電気を扱える製品を選べば良いわけではありません

というのも、ノートパソコンとスマートフォンの充電器は同じものでしょうか?大抵の場合、異なるものを使っていると思います。つまるところ、デバイスによって充電や駆動に必要とする電気量が違うため、用途に合った製品を選ぶ必要があるということです。

それぞれのデバイス(ノートパソコンやスマートフォン等)には、受け入れることのできる電流量の上限値が必ず設定されています。例えば、iPhone は 18W もしくは 20W(iPhone 12)が上限値となっており、iPhone を100Wの充電器に繋いだところで最大値の20Wでしか充電されません。

充電器は、W数が上がるにつれ本体サイズが肥大化し、重量も重くなります。さらに価格も上昇します。適切な充電器を選ばなかった場合、リソースの浪費や使用上の不都合を被ることになるため、使用目的に応じた充電器を選ぶのがスマートでしょう。

・どれが良いのか?

ここまで書いておいて何ですが、結局のところ「この製品が良い」と言い切れるようなオールマイティで都合の良い製品は、この世には存在しません。ですので、ご自身の使用目的に応じて適切なものを選んで下さい。というのがオチです。

もう少し具体的に知りたい!という方は、以下の記事も合わせてお読みいただければと思います。

USB-PD におけるW数の違いと適切なW数の選び方

筆者は日々、様々な製品をレビューしており、その中で良いと感じた製品を用途別にまとめました。製品選びの際に参考にしてみて下さい。

・スマートフォン&タブレット向け

・中型ノートパソコン

・100Wクラス

・モバイルバッテリー

最終更新日:2023年3月4日

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