みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe です。

突然ですが、読者のみなさまのご自宅のインターネット環境は快適でしょうか?本誌の読者層からいえば…。あれ?デジャブ?と思った方、いつもありがとうございます。なんのこっちゃ?と思った方は、興味があればこちらも合わせてご覧下さい。

さて、約半年ぶり2度目の Wi-Fi 6 ルータのレビューです。「同じ世代のルータのレビューを短期間でするとか頭おかしいのか?」というツッコミを受けそうですが、製品に満足できなければ満足できる製品に出会うまで買い漁るのが私のモットーです。

今回レビューするのは、NEC 最新の Wi-Fi ルータ「Aterm AX3600HP」です。本機種は Wi-Fi 6 に対応する Aterm シリーズの中間グレードに当たるモデルで、4ストリーム、理論値最大2402Mbpsの高速通信が可能なモデルとなっています。

先に結論をいいますが、「これを買っていれば間違いない」といえる製品となっています。

・開封

本体

本体前面のインジケータ

背面の端子類

本体背面には SSID などの記載および、スタンド穴(壁掛け時)がある

本体底面にはリセットボタンとスタンド穴(縦置き時)

付属のスタンド

爪を本体に噛ませる方式(壁がけ時のビス穴有)

・IPv6 IPoE の威力

今回、ルータを置き換えるにあたり最重要視された事項は「IPv6 IPoE 対応か否か」です。

そもそも、短期間で Wi-Fi 6 ルータを Wi-Fi 6 ルータで置き換える要因になったのは、この仕様の有無であったため当然といえば当然です。しかし、IPv6 IPoE は日本での利用が主で、これに対応するメーカーが少なく、特に海外メーカーの対応はごく稀なものです。

そのため、今回国産かつ信頼の NEC を選定したところ、IPv6 IPoE の威力を余すところなく体感できました。

混雑時間帯でもこの速度

やはり、IPv6 IPoE 対応の有無で混雑時間帯の速度は大幅に異なっており、本製品に切り替えてからは、どの時間帯でも安定して600〜800Mbpsの速度で通信ができています。

また、セットアップにあたり特別な設定なく IPv6 IPoE 接続が確立され、上記の速度が出るため、誰でも簡単に恩恵を被ることができる点も良いと思います。

さらに、NEC 公式ページに対応プロバイダ一覧が用意されており、回線が IPv6 IPoE に対応しているかを簡単に確認できる状態になっている点についても、大変親切なものだと感じます。

・約半年使ってみて

筆者は本製品を昨年の11月に購入し、約半年間使用して本記事を書いています。

本製品の前に購入した Linksys AX3200 が安定性の問題を抱えて置き換えざるを得なくなった以上、本製品の導入には前回を上回る「安定性」が求められます。

威圧感はかなりある

実際、半年間使用して通信ができなくなったのは、NTT もしくは IIJ 側の障害発生時のみで、それ以外で接続安定性や通信速度に不満を持つようなことは一切ありませんでした。

筆者の使用環境は、一般家庭にしては平均接続台数が多く(約30台)、常時通信が発生するような IoT 家電も存在するため、ルータにとっては休まる暇のない過酷な環境です。そのような環境下でも、全てのデバイスで安定した通信を実現し、500Mbps程度の速度も維持できています。

筆者は過去にも NEC のルータを使用していた経験がありましたが、その時にも勝る安定感で「安心して放置できる」と感じています。

・iPad の接続が頻繁に切れる?

ある程度使用し続けたところ、iPad 9 だけ接続が頻繁に切れるという症状に遭遇しました。

具体的には、スリープから復帰すると Wi-Fi には接続されているもののインターネット接続ができない(『設定』アプリで「ネットワークに接続できません」と表示される)というものです。

手っ取り早く結論から言うと、この問題はルータの設定画面で「オートチャネルセレクト機能」を「使用する(拡張)」に変更し、「TVモード」をオフにすれば解決します。

正直、TVモードに関しては効果があるのかは不明ですが、オートチャネルセレクト機能(拡張)については動的に電波干渉を回避する機能であるため、これを有効にして問題が解決したことを考えると、何らかの電波干渉が問題の原因だと推定されます。

・どのモデルが良いのか?

本製品の発売後に同等クラスの AX/WX5400HP という製品が登場しています。

AX5400HP

AX3600HP と AX5400HP を比較すると、後者は2.4GHz帯アンテナのストリーム数が2つ減少している反面、5GHz帯の最大通信速度(理論値)が最上位モデルの WX6000HP と同等になっています。販売価格についても、実売価格で¥5,000程度 AX5400HP の方が高くなっており、本製品の上位機種として位置付けられています。

一見すると、AX5400HP の方がよく見えますが、一般的な使用環境では体感できるような性能差があるようなレベルの差異ではないことから、特定の用途で僅か0.001%でも通信速度が速い方が良いという場合以外では AX5400HP を選択する必要性はないと思います。

もちろん、AX5400HP にしかないメッシュ Wi-Fi 機能が必要な場合はこれに限りません。

・総評

今、Wi-Fi ルータを購入するなら間違いなくこれ。

本製品はそういえる製品です。発売から時間も経過し、発売直後に指摘されていたルータファームウェアの不具合も解消され、非常に安定した通信が実現されています。また、長年ルータを開発してきた国産メーカーだけあり、日本のインターネット回線事情に則した設計がなされている点も他社製品よりも優れているといえるポイントでしょう。

マンション用 Wi-Fi 6 ルータの購入を検討中の方は本製品を選んではいかがでしょうか。

最終更新日:2022年10月29日

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