みなさま、こんにちは。USB-C 充電器に取り憑かれている Kazuto Tanabe です。
この記事では、筆者の経験に基づいた「オススメの USB-C 充電器メーカー」をご紹介します。今回名前を挙げる全てのメーカーの製品を使用した感想を基に本記事を執筆していますが、あくまでも筆者の独断と偏見でしかない点はあらかじめご理解の上、お読み下さい。
また、本誌はいかなるメーカーからも PR 案件を受けておらず、本誌運営会社は日本の独立資本であることを改めて強調しておきます。
Contents
・大前提として
このメーカーはこう、あのメーカーはこう。という前に、基本的なことをお伝えします。
それは、「USB-C(USB Power Delivery)充電器においては、メーカー指名買いは危険である」ということです。
そのため、今回ご紹介するメーカーに関しても、本稿執筆時点ではオススメできるメーカーであったとしても、それが未来永劫続くわけでは決してありません。ですので、USB-C 充電器を選ぶ際は各製品の検証記事を参考にし、安全性の確保に努めて下さい。
・論外
まずはじめに、何があっても買ってはならないメーカーというか製品をご紹介します。
それは、得体の知れない中華メーカーです。とはいえ、モバイルグッズ界隈で最も有名といっても過言ではない Anker も中華メーカーの1社であり、同社も2010年代は得体の知れないメーカーでした。
しかし、近年の得体の知れないメーカーというのは、Amazon などの商品販売ページに謎の日本語表記があったり、出品者の情報に記載されている住所が日本国外であるなど、その性質は変わりつつあります。
このようなメーカーの場合、日本国内で電気製品を販売するために取得が義務付けられている PSE マークを取得していない安全性が担保されていない製品を平気で送りつけてくる。といった事態が考えられます。そのため、このような特徴を持つメーカーは絶対に避けましょう。
・色々な意味で有名なメーカーたち
次にご紹介するのは、ある程度名前が認知されているが、とんでもない製品を販売することに定評があるメーカーです。
これには、サクラレビューで Amazon 追放となった Aukey や RavPower、とんでもない規格違反品を投入した cheero が含まれます。
これらのメーカーは数年前まで、一線でしのぎを削っていたメーカーたちですが、主に前者はコンプライアンス、後者は製品品質の問題で、近年では新製品を投入しておらず、事実上現在も USB-C 充電器を出すメーカーとはいえません。
なお、本誌ではこの3メーカーはこれまでの経験上、「基本的な品質を満たせない可能性が極めて高い」として、製品レビューは原則として取り扱っていません。
・UGREEN、Baseus
近年、上記3社の空いた枠を埋めつつあるメーカーに UGREEN と Baseus があります。
販売数が増加しつつある中で、日本でも認知度が高くなり、有名インフルエンサーなども紹介するなど、将来的にはある程度のポジションを獲得することが考えられます。
しかしながら、この2社に関しても本質は得体の知れない中華メーカーと変わらず、PSE マークのない製品の販売、USB-PD 規格に準拠しない、安全性に問題のある製品を販売するなど、製品の品質はそこまで高いとはいえません。
・Anker
言わずもかな、モバイルグッズ界隈で最も有名なメーカーである Anker。
Anker なら安心してそのネームバリューで製品を購入できる。と思いがちですが、実はそうでもありません。実際、本誌によるレビュー・検証でも定期的に「はぁ?」と思わせるとんでもない爆弾を製品に仕込んでおり、製品毎の品質の差に大きな開きがあるように感じています。
また、同社は過去に製品発火、電波法違反によるリコールなど、品質のお粗末さが起因した事案を多数起こしています。さらに、米国では安全性に問題があるとしてリコールした製品を日本国内では平然と販売し続けるなどの悪行も目立ち、結局は規模が大きくなった中華メーカーなんだな。と思わせるメーカーです。
本誌では、近年の製品完成度の低さを鑑みて、充電器はレビュー対象メーカーから外れています。
・Belkin
カリフォルニアで創業したガジェットメーカーで、Apple 製品との使用を前提にした製品を手掛ける Belkin。
Apple との親交も深く、発表前の Apple 製品のアクセサリーをフライング掲載して、その存在をバラしてしまうなど、定期的に Apple ブチギレ案件を起こすものの、製品の完成度・品質は非常に安定しているメーカーです。
本誌のレビュー・検証でも大きな問題があった製品はこれまで一度もなく、またその完成度の高さに自信があるからなのか、全ての製品に最大28万円の物損保険が付いています。
但し、定価があるような。ないようなメーカーであり、販売価格が日に日に低下し、突如として発売直後の価格から半額。という意味不明な価格設定を行うこともあるため、定価買いをすると精神衛生上の問題を引き起こす場合があります。
・Satechi
こちらもアメリカのブランドである Satechi。
日本国内においては積極的な USB-C 充電器の販売を行なっておらず、馴染みのない方が多いと思います。しかし、同社は革新的な製品を数多くリリースしており、安全性もしっかり伴っているという稀有な存在です。
但し、同社は日本市場をそれほど重視していないため、製品の購入は原則として個人輸入が必要になるのは最大のネック。
・エレコム
日本のガジェットブランドで昔から名が通っているエレコム。
デザイン性がイマイチな点と、製品名が型番しかなくわかりにくいこと以外は、日本メーカーであるにも関わらず製品品質が安定している点が特徴です。また、量販店など店舗でも買いやすいブランドの代表格で、入手性は他のどのブランドよりも高い。
ただ、公式 Twitter のダジャレが毎度、寒い。(関係ない)
・その他の日本メーカー
一見すると得体の知れない中華メーカーと思いきや、販売元を見ると日本企業である場合もあります。
近年では、CIO や DIGIFORCE、意外なところでは保護フィルムで有名なベルモンドなどが USB-C 充電器に参入しています。
しかし、これらの企業の製品の多くは品質的に安定しているとは言えなかったり、規格違反品を平然と販売していたり、使用感が悪かったりと、「とりあえず出しました!」感が強く、「日本企業らしさ」を感じさせてくれます。
また、特に革新的な製品を出すわけでもなく、使えるか使えないかの博打で安い製品を買うという目的以外ではオススメできません。
・現在の異常なマーケットをどうするか
筆者は年間数十台の充電器を購入し、その一部を本誌にてレビューしています。
それだけの台数を手に取ってみると、各メーカーの設計思想や特徴などが明確にわかるようになります。この記事は、そんな筆者の経験と各製品の検証のデータをもとに作成しています。もちろん、筆者の好みもあるため偏りがあったり、全ての人が同じ感想を持つとは限りません。
しかし、昨今の USB-C 充電器市場を見ていると、PR や ステマが上手い企業が圧倒的な徳を得て、利益を積み増している状態で、そこに消費者利益が伴っていないのが現状です。また、熾烈な価格競争に陥り、まともなメーカーの適正価格が「高額」となり、危険で安価な製品が「適正価格」となっていることにも違和感を感じています。
本誌が市場バランスを大きく変えることは到底無理な話ですが、この記事をご覧になった一人でも多くの方が「製品の本質」で充電器を選択できるようになる手助けとなれば、筆者としても嬉しい限りです。
・結論
これまで数多くの USB-C 充電器を見てきた筆者としては、Belkin、Satechi、エレコムの3社をオススメします。
これらのメーカーにも非の打ちどころはあり、常に完璧な製品やサポートなのかと言われると、そうではありません。しかし、平均的に70点以上の製品を出し続けており、製品品質は高いところで安定している印象です。