みなさま、こんにちは。Kazuto Tanabe(@WWDC1999)です。

今回は、cheero Power Plus 5 10000mAh をレビューします。本製品は、最大18WのUSB Power Delivery(以下 USB-PD)に対応した、モバイルバッテリーです。

それでは早速、レビューしていきます。
*本記事は写真中心の「フォトレビュー」、ガチ検証を含む「ガチレビュー」の2種類を用意しています。

フォトレビューガチレビュー
・開封&レビュー

パッケージ

内容物は、本体、本体充電用ケーブル、取り扱い説明書。

本体

本体のポートは、左からType-C、USB-A。出力ボタンは本体左側面に配置。

底面には本体の仕様が記載されています。

・充電状況をチェック

次にUSB電流チェッカーを使用し、電流の可視化を行います。
ここでは、本製品がAppleの高速充電に対応するかを確認します。

iPhone 8 接続時 9.06V/1.48Aの出力を確認。

iPhone SE 接続時 5.09V/1.03Aの出力を確認。

確認の結果、iPhone 8/8Plus/X 以降のiPhoneと、iPad Pro 9.7を除く全てのiPad ProシリーズとiPad Air 3、iPad mini 5が対応している、高速充電に対応していることがわかりました。また、Type-Cポートは iPhone SE などの高速充電非対応デバイスの充電にも対応します。

・開封

パッケージ

内容物は、本体、本体充電用ケーブル、取り扱い説明書。

本体

本体のポートは、左からType-C、USB-A。出力ボタンは本体左側面に配置。

底面には本体の仕様が記載されています。(クリックで拡大)

・付属のケーブルをチェック

本製品には、本体充電用としてUSB-C to USB-Cケーブルが同梱されています。

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検証の結果、規格違反は認められず、ケーブルはUSB 2.0ケーブル(3A)となっていることがわかりました。

・PDOをチェック

次に、本体のPDOを確認します。
本製品の販売ページや本体底部などには、5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A(最大18W)と記載されています。

確認の結果、表記のPDOと実際のPDOが一致していることが確認でき、PD 3.0対応であることも同時に確認できました。

しかしながら、PDOの中にある12V/1.5Aは、USB PD Revision 1.2 で対応を義務付けられていた項目で、最新版の Revision 3.0 では、これに変わり15Vへの対応義務化へと変更されています。

また、18Wまでの製品が15V出力に対応する義務はありませんが、他の18W出力対応製品が15V/1.2Aでの18W出力を設定していることを考えると、仕様的に他の製品に劣るといえます。この影響で、接続互換性に影響が出る恐れもあり、最新のデバイスを中心に充電ができない/充電電圧が低いといった症状の発生も考えられます。

※リリース当初、12Vへの対応は規格違反のと旨を記載しておりましたが、再確認を行った結果誤りであることがわかりました。お詫びして訂正いたします。

・急速充電規格の確認

USB-IFでは、USB-PDデバイスにPD以外の急速充電への対応を禁止しています。

しかしながら、cheero Power Plus 5 10000mAh は Quick Charge 3.0、HUAWEI FCP/SCP、Samsung AFC への対応が確認されました。これは、USB-IFの定めるPDのルールに違反しており、規格違反品として取り扱われます。

なお、以前、本誌では安全性に影響を及ぼさない範囲での急速充電規格への対応を容認していましたが、近年の状況改善により、一般消費者が規格に準拠した製品を入手しやすい環境となったことから、USB-IFのPDルールを厳密に遵守する方針へ変更しています。

・USB-Aポートをチェック

次に、USB-Aポートの動作をチェックします。
まずは、充電規格の確認から。

検証の結果、Apple 2.4A、Android 2A、USB-DCPに対応していることが判明しました。

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また、保護断の作動状況を確認したところ、仕様では最大5V/2.4Aとなっているところ、最大3.19V/3.77A(12W)になるまで保護断が動作しないことも確認しました。これは、USB-IFが定めるいずれのUSB規格にも適合しない出力で、保護断は存在するものの正常に動作しているとは言い難い状態です。

・2ポート同時出力中の挙動を確認

次に、本製品のType-CポートとUSB-Aポートを同時に使用した場合の挙動を確認します。

視認性向上を目的とし、USB-Aチェッカー画面を反転しています。

確認の結果、Type-Cポートが5.18V/1.38A(7.15W)、USB-Aポートが5.09V/0.80A(4.07W)の合計11.22Wの出力を確認できました。なお、本製品の合計出力は18Wである為、接続するデバイスによっては、さらに出力が高くなるものと考えられます。

・実効容量をチェック

最後に、モバイルバッテリーとしての性能を表す、実効容量のテストを行います。

クリックで拡大

検証の結果、公称容量の10,000mAhに対し、実効容量が29.47Wh(7,964mAh)(-20.0%)と変換ロス値標準ラインの -20% ギリギリを記録する結果となりました。

近年の製品や他のcheero製品と比較すると、やや低い値ですが、ある程度はエネルギー効率に優れた製品となっていることがわかります。

・明らかな実力不足 手放しの賞賛には疑問

他所で行われている本製品のレビューを見ていると、ステマかの如く手放しの賞賛が行われているケースが目立ちますが、私はこの姿勢には疑問を感じます。

そもそも、実力不足以前の話として、USB-PDの規格に準拠しない点や、USB-Aポートの保護断が正常に作動しない時点で、製品としての安全性には疑問が付きます。

さらに、本製品の比較対象として、ほぼ同等構成の Anker PowerCore 10000 PD(合計28W出力)が使用されていますが、比較対象として不釣り合いであることも無視できません。PowerCore 10000 PDの最大出力はC&Aポート合計で28W。すなわち、Type-CポートとUSB-Aポートを同時に使用しても、各ポートの最大出力は維持される構成となっています。

その反面、本製品は2ポート同時使用中はType-Cポートの出力に制限がかかります。現状でも、ポート毎に最大出力が維持される製品がリリースされていることを考えると、本製品の出力仕様(合計18W)は周回遅れといえ、技術的に他社に劣っているといっても過言ではありません。

この仕様をcheeroでは「安全のため」と案内していますが、他社が最大28Wを実現している以上、これはできない言い訳にしか聞こえません。

・総評

今回も、上記の通りの規格違反が認められました。

巷では、「安心・安全のcheero製!」などと、まともな検証も行わずブランド指名買いを推奨している人もいます。しかし、USB-PD製品では、どのメーカーも確実な製品を製造・販売している状況とは言えず、本製品もそれを示す結果となりました。

既に、お察しの通り、本製品のUSB-PD機能はUSB-IFの策定するPower Ruleに違反している上、USB-Aポートの安全装置が正常に動作しているとは言い難い状態であることから、安全性を担保できない、購入を推奨することはできない製品です。

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